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Vol.12 齋藤弘志[中部学院大・投手]
もう一つ殻を破り、指揮官を認めさせる春

 

今年7月に開催されるユニバーシアード競技大会(韓国・光州)の最終参考合宿が3月17日から2日間、神奈川県内で開催された。国際試合では必ず必要となる貴重なサウスポーとしてアピールを続けた。日の丸を着ける目標は当然あるが、その先にはもっと大きな野望がある。
取材・文=上原伸一

単独インタビューを受けるのは今回が初めてだという。最終学年の今春、プロが最も必要とする左腕の特性もあり、露出は増えていくはずだ(P)URP



プロに行く選手を抑えれば高いレベルで勝負できる


 あの試合があるから今がある――。齋藤弘志にとってターニングポイントになったのが、2年春の大学選手権1回戦、福岡大との試合だ。7回途中から2番手として登板した齋藤は8回、四番・梅野隆太郎(現阪神)に同点2ランを浴びる。チームも延長10回タイブレークの末に敗れ、齋藤の野球人生通じての“全国デビュー”はほろ苦い結果に終わった。

「悔しかったですね。梅野さんにホームランを打たれた悔しさは今も忘れていません。ただ梅野さんに打たれたことで、プロに行く選手を抑えるにはどうすればいいか、うっすらと見えてきたんです」

 プロに行く選手を抑えられれば、高いレベルで勝負できる。梅野の洗礼を糧に自分を磨いてきた齋藤が、手応えを感じたのが昨秋の神宮大会だ。東海地区リーグで8勝1敗、防御率1.29をマークし、前年秋に続き“聖地”に乗り込んだ齋藤は、1回戦で中日からドラフト2位指名を受けたばかりの九産大・浜田智博と互角に投げ合う。チームに勝利を呼び込んだ齋藤は駒大との2回戦にも先発。6回3失点で敗戦投手になったものの「意識していた」という阪神3位指名の江越大賀との対決では「自分が高いレベルでやるための道筋が、くっきりと明確になりました」。

 駒大戦では刺激も受けた。同学年で同じ左腕の駒大・今永昇太の投球を目の当たりにして・・・

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