週刊ベースボールONLINE


Vol.15
川越誠司[北海学園大・投手&外野手]
北の大地が生んだ二刀流

 

1年春から四番を任され、3年秋には打率・400(リーグ3位)をマークした強肩強打の外野手。かと思えば、最速148キロの直球を投げ込む北海学園大“4本柱”の1人でもある。登板時はもちろん四番・投手。北の大地を騒がせる、もう1人の二刀流である
取材・文=坂本匠、写真=小山真司

きっかけは打撃投手一冬越えて148キロ


野球を始めた当時から慣れ親しんだ投手へ再転向[外野兼任]。全国大会出場のため投打でのフル回転を誓う



 1918年のベーブ・ルース(当時レッドソックス)以来となる2ケタ勝利2ケタ本塁打(11勝10本塁打)を記録した日本ハム大谷翔平の存在は、少なからずアマチュア球界にも影響を与えているように思う。投手か野手か。カテゴリーが上がれば専門性を求められ、選択を迫られることが通例だが、どちらの道もギリギリまで見極めようとする動きが一部では生まれ始めている。ただし、それは例えば高校時代に四番・投手のようにポテンシャルを見せた選手が可能性を拡げつつ、最終的な適性を見極める意味での兼任。北海学園大入学後、それも2年秋から投手に挑戦(外野手を兼任)する川越誠司のケースは、極めて異例だといえる。

「きっかけは打撃投手です。趣味で買って出ることが多かったので、それを日比野(勇)監督が見ていて、『試合で投げてみるか?』と……。正直に言えば、2年生くらいからは少しだけ、アピールの意味も込めて投げていました(笑)」

 小学2年時に野球を始めた豊平カージナルス、札幌豊平東シニアではもともと投手で、マウンド経験はある。いわば投手復帰、再挑戦にあたるが、北海高では入学前からの左肩痛の影響で、2年時から野手転向を余儀なくされていた。春12回、夏35回の全国最多甲子園出場を誇る名門校である。「試合に出ることに必死で、どこのポジションでも良かった」とマウンドへの未練は断ち切っていたが、大学へと進み、左肩痛も癒えたところで、投げる楽しさがムクムクと湧き上がってきたという。

 2年秋にはリリーフで秋季リーグに初登板。冬には本格的に投手仕様のトレーニングを開始し、3年春のJR北海道とのオープン戦では、自己最速の148キロをマーク、訪れていたスカウトたちを驚かせている。

川越が投手陣の中心
飛躍のカギは変化球


「投手経験があることは知りませんでした。ただ、毎日のようにフリー打撃で投げるもんだから見ていると・・・

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