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Vol.19 渡辺和哉[専大・内野手]
パワーと技術を兼ね備えた右の長距離砲

 

東都一部に復帰した専大が名門復活へ向け、着実に白星を重ねている。打線の象徴が右の大砲だ。昨秋の青学大との入れ替え戦では3試合連続アーチと、長打力を披露。持ち前の打力でプロの評価も高まっている
取材・文=佐伯要

神宮でポーズを取る渡辺。一部リーグでも本塁打を放ち、確固たる実績を積み上げ、自信を深めている(P)URP



思わず目を奪われる試合前のフリー打撃


 高く舞い上がった打球が、大きな放物線を描いて外野席へ飛び込んでいく。そんな滞空時間の長い本塁打が、専大で「五番・指名打者」を務める右の大砲・渡辺和哉の特徴だ。

 第1試合で対戦する両校は朝、神宮球場でフリー打撃を行う。渡辺が入ったケージをネット裏から見ていると、楽々とフェンスを越える打球に目を奪われてしまう。「プロのフリー打撃を見ても、あそこまで飛ばす選手が何人もいるわけではないでしょう?」。専大・齋藤正直監督は、そう言って目を細める。

 もちろん、それは練習に限った話ではない。昨秋の東都リーグ一部二部入れ替え戦では3試合連続の本塁打を打ち、4季ぶりの一部昇格の立役者となった。今春はオープン戦15試合で4本塁打を放ってリーグ戦開幕を迎えると、3カード目の駒大1回戦で左翼へ先制2ラン。翌日の2回戦でも2戦連続の先制ソロを左翼席中段へ。国学院大2回戦でも先制ソロを放っている。

冬場は振れなくなるまでバットスイングの日々


 176センチ82キロの体格だけを見ると、それほどの長距離打者には見えない。打球を遠くへ飛ばす秘訣を訊くと、渡辺は事もなげに答えた。

「ボールの下を打つことです。打ったとき、ボールがバットに乗っている感覚がありますね」

 現役時代は専大、川崎製鉄千葉(現JFE東日本)で左の強打者としてならし、打撃論の著書もある齋藤監督は、渡辺の打撃を解説する。

「両ヒザ、ベルト、胸のラインが平行を保ったまま回転する。打球を飛ばそうとすると、回転時に・・・

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