週刊ベースボールONLINE

早実・加藤雅樹

Vol.25 加藤雅樹[早実・捕手]
名門を引っ張る“王貞治二世”

 

第97回全国高校野球選手権大会東・西東京大会が開幕。西東京第4シードの早実は、5年ぶりの甲子園を目指し、7月16日の3回戦から登場する。今春の都大会は1年生・清宮幸太郎のデビューで空前の盛り上がりを見せたが、その後の四番を打つ加藤雅樹も「王貞治二世」として、そのバットから目が離せない
取材・文=岡本朋祐、写真=長尾亜紀

ハキハキとした口調で受け答えをする加藤。リーダーとしての資質は十分である



入学式直後に定位置獲得のエリート


 今年は夏の選手権大会の前身である「全国中等学校優勝野球大会」(大阪・豊中グラウンド)が1915年に始まって100年(今夏で第97回大会だが途中、第二次世界大戦のため中断を挟む)。8月6日の開会式では、第1回出場10校の代表選手が入場行進することとなっている。1905年創部の古豪・早実を引っ張る主将・加藤雅樹は、高校通算46本塁打のドラフト候補だ。復刻ユニフォームを着て甲子園の土を踏むことになっているが当然、チーム全員で出場することを固く誓っている。

「自分はまだ1度も甲子園に出ていない。一人で入場行進することだけは避けたいです。100年前、早実が第1回大会に出場して以来、高校野球界を引っ張ってきた。そのユニフォームを着られることを誇りに感じ、全力で勝利に導いていきたい」

 エンジのユニフォームにあこがれを抱いたのは06年夏、初の全国制覇を遂げた斎藤佑樹(現北海道日本ハム)の活躍をテレビで見たのがきっかけ。当時小学校3年だった。中学時代に在籍した福生シニアでは、日本代表として全米選手権出場。強打の外野手は第一志望である早実の門をたたいた。今春、清宮幸太郎(ラグビートップリーグ・ヤマハ発動機・清宮克幸監督の長男)が入学式3日後に先発して話題を集めたが、2年前、加藤もこのタイミングで公式戦デビューと、エリートコースを歩んできた。

 同夏の西東京大会からは六番・左翼を任され、一本足からのフルスイングで相手投手を圧倒。世界のホームラン王である早実の大先輩になぞられ、“王貞治二世”と呼ばれた。1年秋からは不動の四番。下級生ながら、すでに早実の顔となっていた。

「父(宣広さん)が王さんのファンなんですが、二世と言われて恐れ多い。恐縮です(苦笑)」

強肩と存在感を買われ2年5月にコンバート


7月16日の西東京大会初戦[3回戦]を控え、最終調整に余念はない



 2年春の都大会後の5月、加藤に転機が訪れる・・・

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