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Vol.30 笛田怜平[福岡工大・投手] 148キロ右腕のラストアピール

 

福岡工大が加盟する福岡六大学リーグは、以前から好投手を輩出してきた歴史がある。かつては山村路直新垣渚馬原孝浩の九州共立大右腕勢が代表格で、13年は大瀬良大地が同大学から1位で広島から指名を受けた。昨年は九産大の左腕・浜田智博中日2位。この2人に続く逸材として、福岡工大の本格派右腕が、今秋の最終アピールへ向けて必死だ。
取材・文=岡本朋祐

186センチ75キロの細身右腕は2人のプロ・元プロに酷似


 一流選手となる条件の一つに「メリハリ」が挙げられる。つまり、常に緊張状態では、勝負の世界で長続きはできない。笛田怜平はグラウンドに入ると、キリッと目が変わる。

「オンとオフは、しっかり切り替えるようにしています」

 自身の性格を分析してもらうと、「負けず嫌い。頑固」と即答してきた。精悍な風貌は、かつて福岡ダイエー・ソフトバンクで一時代を築いた斉藤和巳を彷ふつさせる。186センチ75キロと体の線は細い印象だが、プロのスカウトが西武岸孝之タイプと言うのもうなずける。塩谷佳宏監督の笛田評はこうだ。

「身体能力が高い。走らせてもチームでトップのタイムで、フィールディング、けん制ら細かい部分も俊敏。変化球も多く、器用な選手です」

キリッとした表情はかつて福岡ダイエー・ソフトバンクのエースとして君臨した斉藤和巳を彷彿とさせる



 幼稚園の年中から小学校6年まで8年間、水泳教室に通ったことから、肩関節の柔軟性に優れている。ボールの出どころが見づらくなるのは大きな武器。しかも、リリースポイントにおいて球持ちが良いから、最速148キロの球速表示以上の威力を感じる。潜在能力は抜群。プロ志望届を提出する予定だが、笛田は「秋次第でどうするか?」と、まだ、あと一歩を踏み出せない状況にいる。

高校時代にプロ志望届提出も無念の指名漏れ


 鹿児島の高校野球と言えば、3強(鹿児島実、鹿児島商、樟南)の時代が長く続き、近年では神村学園が台頭。しかし、笛田は「常連校ではない学校で、自分の力で甲子園に行く」と、鹿児島南を志望した。

「野球は高校で区切りをつけるつもりだった」と言う笛田に転機が訪れたのは、2年夏の県大会前のNHK旗だった・・・

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