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坂倉将吾(日大三高・捕手) 甲子園と侍ジャパンを目指す不屈の司令塔

 

夏の高校野球西東京大会。名門・日大三高は、今年も優勝候補に挙がっている。3年ぶりの甲子園出場へのキーマンは「三番・捕手」だ。伝統の強打の中心で、守りの要でもある。卒業後の希望進路は「プロ一本」に絞り込んでいる。
取材・文=岡本朋祐、写真=BBM

1学年上に強肩捕手・小藤翼[早大1年]がいたため、正捕手となったのは2年秋。インサイドワークに加え、強打でもプロスカウトから注目を浴びている


強い意志を心に刻む高卒でのプロ入り


 日大三高野球部の1日は長い。坂倉将吾は毎日、5時30分に起床する。約15分に及ぶ入念なストレッチの後、室内練習場でバットを振り込むのが日課だ。授業を受けてから全体練習。夕食後は消灯ギリギリの22時30分ごろまで汗を流す。バットスイングの確認だけでなく“商売道具”であるミットの型作り、ポケットの芯を固める作業にも余念がない。

 学校、グラウンド、合宿所、室内練習場の4点セットが同じ敷地内。坂倉は千葉県印旛郡酒々井町から東京・町田市の日大三高へ進んでいるが、こうした恵まれた環境も入学を決めた理由の一つ。一方で、決め手は別の部分にもあった。中学時代に在籍した八千代中央シニアでは全国優勝の実績があり、県内外の強豪校30校近くから熱心な勧誘があった。

「最初は地元・千葉でプレーしようと思ったんですが、寮生活で3年間、野球だけではなく、小倉(全由)監督、三木(有造)部長の下で人間力も磨こうと思い三高に決めました。中学時代から『高校からプロへ行きたい』と考えていました」

 日大三高は2001年夏に全国制覇を遂げ、エース・近藤一樹(現オリックス)ら4人が高卒でプロ入りした。10年後の11年夏に2度目となる深紅の大旗を手にしているが、一転してプロ志望届の提出者はゼロだった。大学進学した4年後には高山俊(明大-現阪神)と横尾俊建(慶大-現日本ハム)が今年プロ入り。社会人へ進んだJR東日本・吉永健太朗(早大)、ホンダ鈴鹿・畔上翔(法大)も来年、ドラフト解禁を迎える。そのほか16年シーズンで現役のロッテ吉田裕太(立正大)、阪神・荒木郁也(明大)、ロッテ・関谷亮太(明大-JR東日本)を見ても全員が大学や大学-社会人経由。最近では三高と言えば「進学」が既定路線となっているのになぜ、坂倉はあえて選んだのか。

「プロに絶対に行くという意思があれば、関係ないと思うんです。そういう周囲の目も変えたいという気持ちもあります」

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