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笠原祥太郎(新潟医療福祉大・投手) 「新潟初」目指す147キロ左腕

 

新潟医療福祉大は創部4年目。昨秋に関甲新学生リーグ一部へ初昇格を果たすと、今春は優勝争いを繰り広げた。その原動力は6勝無敗、防御率0.72の好成績を残した最速147キロ左腕だ。大学日本代表候補にも入ったが、秋のドラフト指名があれば、新潟の大学からプロ入りは初となる。
取材・文・写真=岡田浩人

新津高では3年間、目立った成績を残すことができなかったが、地元・新潟の大学で素質を開花させた。新潟の大学としては史上初のドラフト指名を待つ


実感した「良い投手」から「強い投手」への成長


「自分がプロを目指せる選手になるなんて、大学に入学したときは考えてもいませんでした」

 そう正直な気持ちを打ち明け、はにかんだ笠原祥太郎。新潟生まれ、新潟育ちらしい性格の男である。穏やかで控え目。「人前で話すのは苦手」と言うように、決して自分から目立つことを好まない。

 しかし一たびマウンドに上がると、内に秘めた熱い思いを前面に出す。最速147キロの直球とスライダー、曲がりの鋭いカットボール、チェンジアップで三振の山を築く。昨秋に初めて昇格した関甲新学生一部リーグ戦で73奪三振のリーグ新記録を樹立すると、徐々にその名が中央球界に知られるようになる。

 今春は各球団のスカウトが注目する中、上武大ら強豪相手に勝利を重ね、7試合で6勝無敗。防御率0.72をマークし、ベストナインに選ばれた。惜しくも初優勝は逃したが、1期生として入学した新潟医療福祉大をわずか3年で一部2位に躍進させる原動力となった。

 白鴎大との最終週では、1勝1敗で迎えた3回戦に中1日で先発。すでに上武大の優勝が決まった状況ではあったが、集中力を切らさず、1対0の完封で締めくくった。新潟明訓高で8回の甲子園へ導き、創部の2013年春から新潟医療福祉大で指揮を執る佐藤和也監督が目を細める。

「今春のリーグ戦を通して確実に成長した。昨秋は一部校に対して『自分が通用するのか』と気持ちが引けていた面があったが、特に春の白鴎大戦では『自分が投げ切るんだ』というどん欲さがあった。『良い投手』ではなく『強い投手』……これぞエースという存在になった」

高校時代に130キロ台半ばの真っすぐは最速147キロまでアップし、今春は6勝無敗で優勝争いを繰り広げた。大学日本代表候補合宿[写真]に参加も、侍ジャパン入りはならなかった/写真=矢野寿明


高校3年夏に惜敗した“敵将”との運命の出会い


 4人きょうだいの長男。姉に誘われ小2で野球を始め、左利きを生かし投手となった・・・

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