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柳川優太(中京学院大・投手) 幾多の苦労を乗り越え日本一へ上り詰めた左腕

 

2016年の大学日本一エース――。プロ志望届を提出していれば、「対象選手」に挙がっていたはずだが、一つの大きな決断を下した。現状の自身のレベルを冷静に判断した結論であり、社会人野球へ進んで「2年後」を目指すことになった。
取材・文=大平明、写真=川口洋邦

8月末に開幕した今秋の岐阜リーグでも、開幕カードの岐阜大戦で1失点完投勝利。13奪三振、無四球という安定感ある投球を披露した柳川優太


緊張することなく神宮のマウンドを満喫


 今年6月の大学選手権を制した中京学院大のエース左腕・柳川優太。大学では初めての全国の舞台だったが、全5試合に登板し1完封を含む3完投で4勝。防御率1.08と素晴らしい投球を見せ、最優秀投手賞を受賞、胴上げ投手にもなった。

「初戦は神宮球場のマウンドが硬くて苦労したのですが、2戦目以降、右足を真っすぐ踏み出すようにしてからは、自分のピッチングができるようになりました。(中央学院大との)決勝は疲れがありましたが、元々、体力には自信があって連投は苦になりませんし、緊張することもなく神宮の雰囲気を満喫できました」

 ストレートは最速143キロ。変化球は、一度浮いてから落ちてくるカーブのような軌道の遅いスライダーやチェンジアップなどを持ち、試合によって臨機応変にスタイルを変えられるタイプ。今季は春先から好調を持続し、岐阜リーグで6勝。四死球は54回でわずか3個だった。

「今年は常に1ボール2ストライクのカウントにすることをテーマにして投げているのですが、昨冬に体幹トーレニングに取り組んで、体のバランスが良くなったのが、制球力アップにつながったと思います」

 4年間、指導してきた近藤正監督は「柳川は誰からも愛される穏やかな性格で、チーム一の努力家。私からあれこれ注意したことはありません・・・

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