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宮本丈(奈良学園大・内野手) 大学No.1遊撃手を証明する春

 

卒業後の希望進路はただ「一つ」。上のステージでプレーするため、主将はチームの勝利のため、攻守走でけん引している。3年時の時点でスカウトからは高い評価を得ており、今春は世代トップを目指す。
取材・文=佐伯要、写真=大賀章好

ユニバーシアードの一次登録選手に入り、今年3月の最終選考合宿に参加。侍ジャパンでさらなるアピールをしたい


打撃のすべてを知る2人の存在に感謝


 独特の打撃フォームだ。通常、打者は投球にタイミングを合わせ、一度上げた足を地面に着地させながら、グリップを捕手方向に引いてトップの状態を作る。

 だが、奈良学園大で三番・遊撃を担う身長181センチの左打者・宮本丈は、右足をホームベース寄りに置いて広いスタンスのクローズドスタンスを取り、最初からトップの状態を作って投球を待つ。そして、そこから一気にバットを振り、広角に打球を飛ばす。このノーステップ打法のきっかけは、中学3年時のある練習試合だ。2ストライク後にノーステップにしたところ、本塁打を打った。宮本は自分の打撃フォームについて、苦笑いしながら言う。

「いろいろな人に『直したほうがいい』と言われて変えてみたんですけど、結局は足を上げても打てなくて。それなら自分の形で、と。今の形が打ちやすいですね」

 履正社高時代は三塁手で、3年春のセンバツには五番・三塁で出場した。

 奈良学園大では1年春から遊撃のレギュラーとなる。近畿学生リーグでは1年秋と3年春に首位打者となり、3年時のリーグ戦では春と秋の通算で.483というハイアベレージを残している。

 好成績の要因を聞くと、宮本は学生コーチの出口祐貴(4年・早稲田摂陵高)と、捕手の古川徳良(3年・龍谷大平安高)の名を挙げた。出口は中学時代(淀川ボーイズ)のチームメートであり、現在は試合中に三塁コーチャーズボックスから宮本の打撃を見ている。古川は打撃練習で投手を務めてくれている。

「出口と古川は、僕の打撃のいいときと悪いときが分かっている。1球1球を見て、悪い部分は指摘してくれるので、修正できる。2人のおかげです」

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 2年秋。宮本の打率は3割を切った。「油断が、低迷につながった」と振り返る。それまではリーグ戦終盤に向かって調子を上げていたため、「今回もなんとかなる」と考えていた。しかし、気が付くとそのまま最終戦を迎えていた。

「やれることをしっかりやって、勝負しないといけないと・・・

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