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伊勢大夢(明大・投手) 挫折を乗り越えた背番号「11」の覚悟

 

大学野球における4年生の立場とは、チームの浮沈を左右する特別な存在だ。エース兼主将で、ドラフト上位候補である155キロ右腕・森下暢仁を、後方からバックアップすることを固く誓っている。
取材・文=佐伯要 写真=菅原淳

明大には154キロ右腕で主将の森下がいる。キャプテンの負担を少しでも軽減させることが、求められる役割である


 伊勢大夢の名前の由来は「大きな夢を持て」という父・強三さんと母・多恵さんの願いが込められている。

 幼稚園のころ、夢は「サッカー選手になりたい」だった。野球を始めるきっかけを作ったのは父である。小学生のころ、父の勤務先であるホンダ熊本(大津町)の試合を一緒に観戦した。選手たちのカッコよさと華やかな応援にあこがれて、小学4年生から野球を始めた。そのとき、夢は「野球選手になりたい」に変わった。

 中学3年から本格的に投手となった。もともとはオーバースローだった。九州学院高に入学した直後、ブルペンで投げたとき「いいところを見せよう」と力が入り過ぎて、腕が下がってしまった。それを見た坂井宏安監督のアドバイスでサイドスローに転向し、投手として開花する。

 高校3年時にはエースとして春、夏連続で甲子園に出場したが、いずれも初戦敗退。当時は最速143キロ。将来はプロになりたい気持ちはあったが、心のどこかで「無理だろうな」と思っていた。「大学から社会人へ行ければ」と明大へ進む。

 明大では1年秋にリーグ戦デビュー。しかし、2年時・・・

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