1年時から「強打の捕手」として脚光を浴びてきた。「地元から甲子園」の夢は消滅したが、高校3年間を良い形で締めくくることしか頭にない。名前で注目を浴びるが、実力も申し分ない超高校級である。
取材・文=前田泰子　写真=上野弘明


　その名前だけでもインパクト十分だ。「サカモト・ハヤト」。漢字で書くと「坂本勇人」。昨年のセ・リーグMVPを受賞し、侍ジャパンでも活躍した巨人・坂本と同姓同名である。「やっぱり、うれしいです。自分もああいう選手になりたいと思います」と自分と同じ名前を持つスター選手へのあこがれの目を向けている。

　坂本が生まれた年、巨人・坂本は中学生。両親は当然、その存在を知るわけもなく「ひいおじいちゃんが『勇』だったので、その字をつけたと聞いています」。「勇人」は曽祖父からもらった名前だった。小学3年で野球を始め、自分と同じ名前のスター選手を知った。友達からは「同じ名前やん」と言われ、野球観戦に行った友達から巨人の坂本の名前入りのタオルをお土産にもらうなど、名前ネタで話題にされることももう慣れっこだ。

　もちろん、話題はその名前だけではない。浜玉中時代はで佐賀県大会で優勝。強打の捕手としても知られた坂本には県外の強豪校からも声が掛かった。それでも「地元から甲子園に行きたい」と唐津商高へ進むと・・・