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プロ4年目を迎える2014年シーズン、広島福井優也は悲壮なほどの覚悟を持った日々を過ごしている。ドラフト1位として入団も、結果を残せなかった過去3年間。これまでの殻を破ると同時に、原点に立ち返り、マウンド上で自らの存在価値を示してみせる―。

取材・文=坂上俊次(中国放送アナウンサー) 写真=前島進、BBM

豪快であり、繊細

 テレビのリモコンは、いつもリビングの同じ場所に置いている。冷蔵庫の中のドリンク類はすべてラベルが正面を向いている。自宅にある物の置き場所は常に同じだ。洗濯物はハンガーに肩の位置を合わせきっちりと干す。しかし、洗濯物はあまりたたまない。几帳面できれい好きでもあるが、大雑把な一面もある。

 マウンド上では、闘争心むき出しで感情をあらわにすることもある。逆に、制球を意識するあまり、腕が振れなくなることもある。

 豪快であり繊細。両極端の要素を併せ持つ男に、プロ野球ファンは最大級の期待を持って感情移入する。

 もともとの能力の高さは誰もが認めるところだ。おまけに、今年は目の色が違う。厳密に言えば、表情そのものがまったく違うのだ。

 福井優也は、そのポーカーフェースに過去2年間の悔しさを込めている。2014年、彼は変わろうとしている。「状態が悪いときもありますが、考え方の転換というか、態度に出さないようにしています。今までみたいにやっていたら何も変わりませんから」
Go for2014!〜新シーズンにかける男たち〜

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新たなシーズンに巻き返しや飛躍を誓う選手に迫ったインタビュー企画。

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