西本のキャンプでの第一声は「選手に甘い顔は見せん!」。ナイター後も練習
7月14日号(第25回)で「親会社がしっかりしている近鉄、阪急の弱さは不可解だった」と書いたが、実はこの2球団、たった一人の男によって強チームに変身を遂げるのである。その男とは、
西本幸雄。
西本は、63年に阪急の監督に就任する。4年間は、最下位、2位、4位、5位と浮いたり沈んだりの不安定な戦いが続いたが、67年に一気にブレーク、2位西鉄に9ゲームの大差をつけて初優勝。ここから3連覇を達成して勇者は本物の勇者になった。西本は、74年、近鉄監督に転じるが、2年目の75年に後期優勝を達成。50年のチーム創設以来、近鉄は初めて「優勝」と名のつくものを手に入れた。プレーオフでは阪急に敗れたが、4年後の79年、前期を制し、プレーオフでも阪急を破ってついにパ・リーグの覇者となった。近鉄は翌80年も連覇。猛牛はようやくその名にふさわしいチームになった。
阪急では初Vまで5年、近鉄では6年かかっているが、これは西本も球団フロントも、粘りに粘り、耐えに耐えた結果だった。もちろんくじけずについていった両チームの選手たちのがんばりも立派だった・・・
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