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NEW HEROES!!

DeNA北方悠誠 長く続く野球人生のために

 

焦る気持ちを抑えしっかりと基盤を築く

▲春季キャンプでは毎日150〜200球を投げ込み、正しいフォームを身に付けている最中だ



台湾ウインター・リーグで成長を見せた北方だが、春季キャンプでは苦戦。初めてフリー打撃で登板した際に中畑監督からは厳しい言葉を掛けられるなど、アピールはできていない。それでも自分の立ち位置を見失わぬよう、懸命な努力を続けている。

 春季キャンプのテーマは、自分に一番適したフォームで投げることです。

 キャンプ開始時にフォームがかなり崩れてしまっていたので、第1クールでは正しいフォームでとにかく投げ込んで体に覚えさせるということをしてきました。

 篠原(貴行)コーチからはテークバックのときの左腕の使い方が理に適っていないことなどを指摘されて、指導してもらいました。コントロールはそんなに細かく意識することはなく、縦にブレるのはいいけれど横にはブレないよう、とにかく横振りの修正を意識しています。

 キャンプ期間中は1日に200球以上は投げていますね。もともと僕は地肩が強く、唐津商高時代から「連投するほどコントロールが良くなる」と言われていたし、今でも登板の前々日に多く投げ込んで肩に軽く張りがある方が調子はいいです。

 ただ、現在はそのちょうどいい張りよりもちょっとしんどいという感じはあります。でも投げ込まないと身に付いていきませんから。

 あとは、登板中の気持ちの切り替え方も現在勉強中です。僕は調子を崩すとすぐ頭がカッカとしてしまって、投げ急いで四球を連発してしまうことが多々あります。そういったときに、ロジンバッグを触ったり、投球間に間を持たせることで切り替えるということを、まずはブルペンでできるようにしたいです。

 今年の第一の目標は開幕一軍です。が、フォームが崩れていてその矯正に時間がかかったこともあり、自分が思い描いていた調整段階からはかなり遅れています。正直言って、焦る気持ちはあります。

 ただ、いまはプロ野球人生における基盤づくりの段階だということは分かっています。これから長く野球を続けていく上で、その礎をしっかりとさせなければいけない。だから、焦る気持ちを抑えて、一つひとつ基本をしっかりと身に付けていきたいと思います。

 将来的には、どんな場面でもいいので、信頼して送り出してもらえるような投手になりたいです。

 自分としては、1イニングならボロも出なそうだし中継ぎが向いているかなと思うのですが、起用される位置にこだわりはありません。どんな場所でも任された位置で期待に応えたいです。

 そしてしっかりと自分のストレートを武器にしていきたい。具体的にはソフトバンク千賀滉大さんのような、150キロ台後半のストレートにうまくフォークを織り交ぜたピッチングが目指しています。

 そういった目標に少しでも近づけるよう、この春季キャンプをしっかり過ごしていきたいと思います。

篠原貴行'sEYE


 最速158キロのパワーピッチはやはりとてつもない武器であるし、一軍でも十分に脅威となると思う。昨年の台湾でのウインター・リーグでつかむものがあったというが、春季キャンプが始まった時点では上体が傾き、踏み出す足も一足分内側に入っていたので、第1クールはその修正をするために左腕の使い方、足の踏み込みを注意してとにかく投げ込みを行ってきた。

 1日休みを挟んだ第2クールの初日にピッチングを確認したところ、台湾に同行した新沼(慎二)コーチも当時と同じと認めるくらいフォームが良くなっていた。北方のような存在が台頭すればチームは必ず活性化されるのだから、この調子の良い状態を維持して開幕一軍入りへの競争を続けてほしいね。

宣言!打倒山口俊&ソーサ


 自分の最大のアピールポイントはやっぱり威力あるストレートです。チームで僕のようなパワーピッチをするタイプの投手は山口俊さんとソーサぐらいしかいないですね。

 自分の適性は中継ぎだと思っているので、やはりセットアッパーとクローザーという重要なポジションを務めている2人は目標です。でも、今のままではとても“ライバル”だなんて言うことはできません。そう言えるようなレベルになるために頑張るだけです。
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今シーズンにジャンプアップが濃厚な、球界期待のホープを紹介する連載企画。

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