投手陣、特に先発が安定しないDeNAにおいて、リリーフ投手の役割は他チームに比べて重要だ。中でも、ここ数年間でもっとも安定した成績を残しているのが大原慎司である。チームに少ない左腕として、2011年のルーキーイヤーから、常にチームを支えてきた。 文=佐野知香 写真=大泉謙也、BBM 中継ぎ投手に期待される役割は、試合の良い流れをつなげ、悪い流れを断ち切ること。今季のDeNAでは、5月1日の
中日戦(横浜)で、その象徴となるシーンが見られた。
DeNAは序盤から得点を重ね、4回までは6対1と大きくリードしていた。しかし5回表、それまで1失点と力投していた先発の
加賀繁がエルナンデスからソロ、ルナから3ランを浴び1点差まで追い上げられる。DeNAにとって嫌な展開の中、7回表に4番手としてマウンドに上がった
山口俊は、
大島洋平、
荒木雅博と2者連続四球。ルナを空振り三振に仕留めるも、続く
平田良介の打席で大島、荒木にダブルスチールを許してしまう。動揺した山口は平田にも四球を与え、満塁のピンチに……。
ますます中日の逆転ムードが強くなる中、山口に代わりマウンドを託されたのが大原慎司だった。いきなり森野に押し出し四球で同点とされてしまうも、続く
和田一浩をセカンドフライ、
松井雅人を大きく曲がるカーブで見逃し三振に抑え、最少失点で切り抜けた。
大原が勝ち越しを許さなかったことで、今度はDeNAに勢いがついた。直後に
バルディリスのライトフライで1点を追加し、再びリード。8回裏には一挙5得点し、終わってみれば12対6のダブルスコアで快勝。チームは今季初の3連勝、そして大原にも今季初の白星がついた試合となった。
礎をつくった助言 156試合無敗。
6月19日現在の大原の成績だ(※原稿執筆時点。6月30日時点で159試合まで記録を伸ばしている)。
高木晃次(元
ロッテほか)が持つ登板機会連続無敗記録の168試合まであと12と迫っている。何より、大原のこの数字に価値があるのは・・・
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