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野球浪漫2016

天然系のナイスガイ DeNA・井納翔一が歩んできた苦悩の道

 

ベイスターズの2005年以来となるAクラス入りの原動力となったのは、先発投手陣の踏ん張りにあった。なかでも井納翔一は1年間先発ローテを守り、7勝という数字以上の貢献があった。プロ入り4年目の右腕は節目のシーズンで人間的にも大きく成長。初出場となるプレーオフでの登板を心待ちにしている。
写真=BBM


ヤクルト戦で完投、連敗を止めうれし泣き


 こらえることができなかった。

「なかなか勝てない時期があったので……。恥ずかしながら、うれし泣きをしてしまいました」

 9月6日のヤクルト戦[横浜]。試合後にお立ち台へ招かれ、井納翔一がファンの大歓声を浴びた。CS進出を争うライバル球団と直接対決。3連戦の初戦を託され、静かに熱く燃えた。初回一死一、二塁のピンチで川端慎吾を左飛。2回から4回までは3人ずつで片づけた。この時点でヤクルトとは残り7試合。ラミレス監督は「今日の初戦が最も大事になる」と位置づけていた。6点をリードした7回二死満塁の攻撃では、そのまま打席へ。ベンチの期待を感じた。9回に山田哲人のソロ本塁打を食らったが今季最多となる144球で完投勝利。自身のヤクルト戦の連敗を7で止めた。

 7月30日の広島戦[マツダ広島]以来となる7勝目だった。

「初回から全力で飛ばそうと思った。7回、打席に向かったときの歓声。それがすごくて、勇気をもらいました。個人的な“借金”でもチームに迷惑をかけましたから……」

 コンスタントに150キロ前後の直球を投げる本格派は、確かに苦しんでいた・・・

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