2017年に捲土重来を期す男に迫る連載第2回は、巨人・橋本到を取り上げたい。2014年は90安打を放つなどセンターのレギュラーとなったが、過去2年はケガなどでシーズンを全うすることすらままならず。結果、チームは17年より陽岱鋼を獲得することとなった。阿部慎之助が坂本勇人の次のリーダー候補に挙げたこともある橋本到はいま、キャリア最大の試練の時を迎えている。 写真=三浦正(スポーツライター)、写真=BBM 定位置争いは狭き門、背水の覚悟で挑む
2017年はプロ入り9年目で27歳を迎える。着実にキャリアを積み重ねてきたが、もちろん現状に満足できるわけもなく、むしろ、危機感を抱いている。
「崖っぷちかな、とも思っています」と置かれている立場を、橋本到は客観的に表現した。言葉の響きは酷だが、そこには弱気なニュアンスは一切含まれず、すぐに前向きに、力強くつなげた。
「17年は、勝負(の年)だと思います」 今後の野球人生をも占う新シーズンに、強い気持ちで挑んでいく覚悟だ。
巨人の外野の定位置争いは熾烈を極める。
長野久義、
亀井善行の実績組に、橋本到とは同学年の
立岡宗一郎、昨季加入した
重信慎之介、そして、
ギャレット.Jの残留も決まった。3年目を迎える近未来の四番候補・
岡本和真も、本職の三塁だけではなく、外野の練習を始めている。チーム内だけでもレギュラー候補をあげれば枚挙にいとまがないが、さらにこのオフ、
日本ハムからFA権を行使した、陽岱鋼も加わった。もちろん、長野、ギャレットに並ぶ外野のレギュラー筆頭候補。毎年のことではあるものの、17年の外野の定位置確保はさらに狭き門となる。
簡単にポジションを奪取できる顔触れではないが、嘆いていても仕方がない。橋本到も現実に目を背けず、高いカベを乗り越えようとすでにスタートを切っている。
「とにかく、陽岱鋼さんだけじゃないですけど、勝てなかったら先もあまり長くないと思ってやりたい」 二軍も含めて層が厚いチームでは、たとえオープン戦であっても、出場機会は多くを望めないだろう。
「チャンスがどのくらいあるのか分かりませんが、そこで一気につかんで、自分から手放さないようにしないといけない。それが一番大事かなと思います」 そう、毎シーズンのようにレギュラーに肉薄していながら、これを逃し続けた橋本到に求められるのは、“継続”なのだろう・・・
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