感性を信じた大胆さを武器に、プロ4年目の22歳は今季、初の開幕マスクを勝ち取った。だが、直面した大きなカベ──。結果が出ずにもがき苦しみながら、初めて一軍で戦い抜いた1年間。大きな経験を手にし、さらなる飛躍の糧とする。 文=米虫紀子(スポーツライター)、写真=桜井ひとし 「苦しかったですね……」 2017年シーズンを振り返り、
若月健矢はこう口にした。
「自分のリードがほんとにチームを左右するんだという、怖さを知ってしまいました」 プロ4年目の今季、初めて開幕マスクをかぶったが、
楽天との開幕3連戦は若月にダメージを与えた。
開幕投手はエース・
金子千尋。昨年まで
伊藤光が金子とバッテリーを組んでいたが、今年はオープン戦から金子-若月のバッテリーで開幕に備えた。伊藤はキャンプやオープン戦で三塁の守備に入ることもあり、「今年は若月を正捕手に据える」という首脳陣の意図が読み取れた。
しかし開幕戦、金子は序盤からボール球が多くリズムに乗れない。バックの拙守もあり5回までに4点を失い、若月とのサインが合わず、いらだちをあらわにする場面もあった。
この後、金子の登板日には伊藤がマスクをかぶっている。
開幕2戦目は破壊力のある外国人選手を並べた楽天の超攻撃的オーダーに飲み込まれ13失点。
「あれを行ったら打たれる、これを行っても打たれる、となって『これしか行けない』になり、ピッチャーに苦しい投球をさせてしまった」 3戦目は、4対3と1点差で今季初勝利に手をかけていたが、9回に
平野佳寿がペゲーロに2ランを浴び逆転負けを喫した。
カウント3-1の場面で選択したフォークが甘く入ってとらえられ、若月は
「情けないです。死にたいです・・・
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