パワフルさは年を追うごとに増している。「球界のキムタク」も気がつけば38歳。チーム最年長になった。それでも輝き続けられるのは、アメリカでの経験があったからこそ。飽くなき挑戦心で常に現状の自分を打破していく。 文=田尻耕太郎(スポーツライター) 写真=湯浅芳昭、BBM 己を知るためとことん追い込む
驚くほどエネルギッシュだ。
11月の宮崎キャンプに、
五十嵐亮太の姿があった。通常、秋のキャンプは若手主体。38歳の右腕が参加すること自体が異例なのである。何より、今年の
ソフトバンクは日本一に輝き、五十嵐も全戦に帯同していた。日本シリーズ終了は11月4日。それから中3日の休息を経ただけで合流。初日の8日から若手と一緒に180メートル走×12本などのランニングメニューを中心にハッスルした。
「とにかく走ることが目的ですから」 その表情には危機感が見てとれた。しかし、今季の成績は、それほど悲観するものには映らない。46試合に登板して6勝0敗11ホールド。防御率1.73の安定感だった。中継ぎなので白星は評価の大きな対象とはならないが、それでも半分の3勝は5月10日から24日までの2週間でマークしたもので、その時期の
工藤公康監督は「勝ち運がある」と接戦の試合中盤にはゲンを担いで五十嵐をマウンドに送ったこともあった。
また、復調を示したシーズンでもあった。昨季は2013年にソフトバンクに入団して以来ワーストの成績だった(33試合、0勝1敗7ホールド、防御率3.62)。ならば、今季の成績には多少胸を張ってもいいのではなかろうか。
「僕の中で去年は・・・
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