潜在能力の高さは誰もが認める大型サウスポー。これまでもその豊かな才能と、不思議な運命に導かれてどんな野球人生の岐路も乗り越えてきた。勝負の3年目、チームの次代を担う新左腕エース候補に、いま本格開花の予感も漂っている。 文=井上陽介(スポーツライター)、写真=BBM ずっと以前からプロ3年目を迎える2018年が、自分にとって本当の勝負の年になると思っていた。
上原健太は自身が思い描いてきた青写真を現実のものにすることだけを見据えている。
「昨シーズンは一軍の流れも分かって、厳しさも分かった。いろんな経験をさせてもらった1年。これからは、この生活を当たり前のようにやっていかないといけない」 ルーキーだった16年は春季キャンプ中の紅白戦で結果が残せずに出遅れ、一軍登板はわずかに1試合のみ。だが2年目の昨シーズンは少ないチャンスを生かしてプロ初勝利を挙げた。
「3年目に向かうこの2年目のオフの過ごし方が、今後の野球人生においても大事になるとプロに入ったころから思っていました」。プロ2年間で歩んできた道程は理想とは違うかもしれない。ただ、勝負どころを見据える視線の方向は正しかったと自負している。
勘所の良さは野球人生の岐路に立つたびに発揮してきた。野球の世界に進んだきっかけ・・・
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