圧倒的なパフォーマンスで相手打者をねじ伏せる球界でも屈指のリリーバー。だが、そこには「万全であれば」のただし書きが付きまとってしまう。ケガと手術。試練が訪れるたびに乗り越え、立ち上がり、何度も復活のマウンドを踏み続けてきた。 文=梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ・チーム広報)、写真=高塩隆、BBM ケガの連続の中でも苦悩は表に出さない
マウンドでのその姿は、普段見せる表情とは違う。グラウンドに出るまでの
内竜也は、どこかおっとりとした温和な表情が目立つ。しかし、ひとたびボールを握り、マウンドに上がると、面構えとその背中が醸し出すオーラは一変する。
1球に全力を込める。左足を突き上げ、軸足となる右足で全身を支えると、右足首をひねる動作とともに全体重を左足に預け、右腕はムチのようにしなり、ボールは唸りを上げる。150キロを超えるストレートとスライダー。スタンドで観戦するファンを魅了してやまない威力あふれるボールは、そのフォームと一連の緻密な動作が生み出すものだが、体への負担もまた大きい。それでも、強い覚悟と決意がある。1球たりとも悔いの残るような中途半端なボールは投げたくないというプロ根性にあふれている。
「僕はいつだって、この登板が最後になるかもしれないと思っている。そう思いながら・・・
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