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野球浪漫2018

広島・中村恭平 置かれた場所でまず咲くために 「自分自身、もっとやっておけばよかったと後悔だけはしたくない」

 

期待の背番号を与えられ、プロの世界に飛び込んだ快速球左腕。しかし、その後の道のりは厳しかった。やがて背番号は替えられ、突き付けられた現実。生き残るための戦いが、いやおうなしに始まった。その後も、くるくると変わる戦いの場所。だが、どんな場所でも何かを見つけ、這い上がろうとする男の姿は変わらない。後悔だけは、残したくない。今、置かれた場所で咲いてみせる。
文=坂上俊次(中国放送アナウンサー)、写真=BBM


背番号変更で感じた切迫


 20年前の桜の季節の話である。彼の通う小学校の正門前で、少年野球の入部募集のチラシが配られていた。スポーツマンでもなければ、体育の時間もあまり好きではなかった。しかし、チラシの文言に惹かれた。

「練習に来ればお菓子がもらえます」

 中村恭平が野球に出合ったきっかけである。今も菓子類は好きである。しかし、モチベーションが袋詰めのお菓子だったのは最初だけであった。上達する喜び、成長する楽しさ。彼は一心不乱に野球に打ち込んだ。

 その成長曲線は目を見張るものがあった。立正大湘南高の入学当初は、MAX114キロ、緩急やコーナーワークで打者に挑む、今の快速球からは想像すら及ばないスタイルであった。

 転機は、富士大の4年間・・・

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野球浪漫

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苦悩しながらもプロ野球選手としてファンの期待に応え、ひたむきにプレーする選手に焦点を当てた読み物。

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