内外野を守れるユーティリティープレーヤーはチームに重宝される存在だ。プロ5年目を迎えた外崎修汰も西武でその地位を確立している。ただ、外崎が過去の同系統の選手と異なるのは高い打撃力を兼ね備えていること。球史をひも解いても稀な、ハイレベルな「万屋」(よろずや)になれる可能性を秘めている。 文=中島大輔(スポーツライター)、写真=大泉謙也 自認している「便利屋」という役割
2020年の東京五輪で金メダル獲得を至上命題とされる侍ジャパンがその第一歩を踏み出した今年3月、オーストラリア代表との強化試合に臨む豪華メンバーの一員に、内外野を守るユーティリティープレーヤーとして西武の外崎修汰は選ばれた。実績を考えれば、大抜擢と言っていい。
「どういう感じで打っているの?」
試合の合間に野球談義を持ちかけてきたのは、打線の中核を担う
柳田悠岐(
ソフトバンク)だ。
「方向を決めて打ちにいきます」
球界屈指の打力を誇る柳田が思わず「へえー」と返したほど、外崎の感覚には独特なものがある。
西武でレギュラーに定着して2年目の今季、“山賊打線”で外崎の放つ存在感は日に日に高まっている。交流戦終盤時点で打率、本塁打、打点ともにリーグ10位付近につけるだけでなく、光るのが16盗塁の韋駄天ぶりだ(今季の成績は6月21日現在)。
レフトかライトで先発出場した場合、試合終盤になると守備を引き締めるためにセカンドへ。
中村剛也がケガや不調で先発落ちすると、代わってサードを守る機会も増えている。
「チームから求められている部分はどこでも守れて、バッティングならつなぎ役。便利というか、どこでも無難にやってくれる役割だと思っています。守備では昨年に比べて内野を守る機会が増えて、エラーの数が自分の中ではまだまだ未熟なところです。バッティングはそれなりの数字というか、しっかり自分の考えを持って表現できているかなと思いますね」
日ごろの取材対応を見ても伝わってくるように、外崎は・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン