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野球浪漫2018

岡大海 野球が呼び覚ました闘争本能 「野球のときだけは、いつもとは違う自分が生まれる」

 

導かれるようにして歩んできた野球道には偉大な先人がいた。星野仙一氏。倉敷商高―明大の大先輩であり「燃える男」として、第一線に立っていた。偉人を彷彿(ほうふつ)とさせる野球への情熱が岡大海にもある。幾度の故障を乗り越え、勝負の舞台にはい上がってきた男が向かう先は──。
文=熊谷僚(スポーツライター)、写真=川口洋邦、高原由佳、BBM


「エースをねらえ!」


 打席に立つと、あの耳に残るアニメソングが流れ出す。札幌ドームの左翼席上段。日本ハムの応援団によるトランペットの音色が高らかに鳴り響く。曲の名は「エースをねらえ!」。テニス漫画の代表作が登場曲だ。同姓同名の主人公「岡ひろみ」が多くの苦難を乗り越え、一流のテニス選手を目指す少女漫画の名作。岡大海はその存在を最初は知らなかった。

「高校3年になって新聞とかで取り上げてもらえるときに、そういう(漫画の主人公と同姓同名という)書き方をされて。そのときに『ああ、そうなんだ』と思いました」

 名前の由来はあの主人公ではない。3歳上の兄・大介さんと同じ「大」が入った名前を付けようと両親が名付けた。しかし、両親はいずれその名前が世間から注目されるだろうと思っていたという。

 両親の思いが的中したのは倉敷商高で脚光を浴びたときだった。チームのエースを務めて2、3年夏に甲子園出場。打っては高校通算30本塁打。プロ注目選手として話題を集めた。投打での高い素質と、スター性のある名前から新聞の見出しには「エースをねらえ!」の文字が躍った。

 プレースタイルも本家を彷彿とさせる・・・

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