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野球浪漫2018

日本ハム・玉井大翔 輝ける未来に続く道「あの日に甲子園で投げていたら、高校で僕はきっと野球をやめていた――」

 

何度も野球をあきらめかけたが、不完全燃焼のままやめることはできなかった。不思議な巡り合わせと、何度も味わった悔しさが玉井を夢の舞台へといざなった。北海道・佐呂間町出身。日本最北端出身右腕がつむぐ物語には、まだまだ続きがある。
文=井上陽介(スポーツライター)、写真=BBM


悔しさを力に代えて


 10月15日、玉井大翔は宮崎にいた。フェニックス・リーグの試合を終え、夜は宿舎の自室にいた。BSのテレビを付けると一軍の選手たちが戦っていた。宮崎から約200キロ離れた福岡で行われていたソフトバンクとのCSファーストステージ第3戦、勝てばファイナルステージ進出が決まる大一番。だが、すぐにチャンネルを変えた。見たかったテレビ番組があったわけではない。「悔しくて見ていられなかった。自分が情けなくなるし、焦りもあった」

 それでも気になって途中経過を見るために何度かチャンネルを戻したが、自身の不甲斐なさを感じるばかりだった。「今の自分ではまだ無理なんだ……」。結局チームはその試合で敗れ、2018年シーズンの戦いが終わった。同僚の悔しそうな顔も見ることはできなかった。CSメンバーから漏れた現実は、想像以上の悔しさを玉井に感じさせた。

 プロ2年目。レギュラーシーズンでは・・・

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