今季でプロ17年目を迎え、シーズン後には39歳になる。プロ野球界でも残り少なくなってきた、「松坂世代」の一人だ。ノーラン・ライアン(元エンゼルスほか)への憧れを貫き、作り上げた独特のフォーム。だが、プロの世界で生き抜いてこられたのは、頑なさとは別の力をそこに加えることができたからにほかならない。故障での「前年登板ゼロ」から2018年は見事に復活。それでも、必要な存在であり続けるための歩みは止まらない。 文=坂上俊次(中国放送アナウンサー) 写真=BBM 復活経て変わった人生観
早朝のジョギングの時間に、彼は、考えをまとめる。決して、音楽を聴きながら走ることはない。スケジュールから練習メニュー、その強度に至るまで、頭の中はどんどん整理されていく。自分の足音と呼吸が余分な考えを裁断していくかのようだ。
どこか古風なところがある。義理堅い。走り込みをひときわ重要視する。流行に流されない。それに加えて、近ごろ、涙もろくなったという。映画やテレビ番組、もちろん、野球の舞台でもそうである。
2018年6月7日、
日本ハム戦(マツダ
広島)。
永川勝浩は743日ぶりに一軍のマウンドに帰ってきた。2イニング無失点。だが、胸を打ったのは・・・
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