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ルーキーイヤーは二軍ですら結果を残すことができなかった。それが今では一軍先発ローテの一角を任されるまでの存在となっている。初先発で初勝利、初完封を挙げるなど、ここまで4勝1敗。勝ち運を持っている19歳のサウスポー・濱田達郎の内部では、いったい何が起こっていたのか。自称・マイペースの男が、現在の心境を語った。
取材・構成=富田 庸 写真=桜井ひとし、荒川祐史

代役先発で初勝利

──プロ2年目、一軍の最前線で戦っている手応えはいかがでしょう。

濱田 だいぶ慣れてきて、徐々に自分の中で余裕が出てきたのは確かです。でも、その余裕が甘さにつながっています。ボールを置きにいったりして、カウントを悪くしたり四球を出してしまったり……。交流戦中、浜松球場(西武戦)で中継ぎ登板させてもらいましたが、そこでは腕をしっかり振るという自分らしさ、初心を取り戻せたと思います。

──ここまで11試合に登板して4勝1敗という好成績を挙げています。

濱田 でも、もっと勝てる試合があったし、そこで白星を挙げられなかったのは反省すべき点でもあります。そういう試合で制球面など課題が見つかることも多いし、一軍は甘くないと実感しているところです。

──4月27日に初めて一軍登録されました。そのときの心境は?

濱田 前日の夜遅くにマネジャーの方から電話をもらったんです。「やっと来たか……」という思いでした。うれしい半面、不安な部分もありましたので、緊張感が生まれましたね。

──そして4月29日のDeNA戦(横浜)でプロ初登板が訪れます。

濱田 確かあの試合は接戦でしたし(8回表に中日が2対2の同点に追いつく)、僕が投げるような場面がなかったんです。良くないことですが、気を抜いていたところで8回裏に大量失点(4点)。急きょ「行くぞ」と言われて……。準備して、リリーフカーでマウンドに行き、気がついたら終わっていました(二死二塁から梶谷を捕ゴロに打ち取る)。緊張する間もなく、無心で投げました。

──その実感がわいたのは?

濱田 投げ終わってベンチに座ると、急にハマスタの景色が目に入ってきたんです。そのとき初めて「俺、投げたんだな」と感じましたね・・・

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