開幕から阪神の一番打者は災難が続いた。開幕3戦目に西岡剛が試合中のケガで戦列を離れ、代役で入った上本博紀が右手指に打球を受け骨折。そこで開幕直後二軍に降格になっていた緒方凌介が5月13日の広島戦(米子)から抜てきされた。ここでいきなりマルチ安打を記録。その後4試合連続で一番打者として出場し、チャンスをつかんだ。かに見えたが、上本の復帰と緒方自身の守備、走塁のミスが重なり、二軍に降格。本来なら大事に使いたい将来のレギュラー候補。だからこそ今、話を聞きたい。未来に向けて何に取り組んでいるのか。 取材・構成=椎屋博幸 写真=早浪章弘、佐藤真一、松村真行 大きなミスも課題が明確に ──6月30日に二軍に降格になりました。悔しさがあるのでは?
緒方 昨年一軍に上がった後、二軍に戻ったときは、いい経験をしたな、と思っていたんです。それを受け今季の目標は「1年間一軍にいること」だったんです。それで開幕一軍には入ったんですが、1カード終りで二軍に降格。このときも悔しかったです。そして5月に一軍に上がったときには、次は絶対に落ちないように、と誓っていたので、今回の降格は本当に今までの中で一番悔しかったです。
── 一方で課題も明確にされた形での降格です。
緒方 守備と走塁の面ですね。僕が一軍の試合で犯したミス(6月3日
楽天戦=コボスタ宮城でサヨナラ後逸、6月9日
ソフトバンク戦=甲子園でベース踏み忘れ)は本当にやってはいけないことですし、やってしまった自分自身が恥ずかしくてしょうがなかったです。でもあのミスで、自分に足りないものが分かったので、しっかりと自分のモノにしていこうと思い、練習をしています。
──守備の面では何が一番の課題なのでしょうか。
緒方 打球への判断力です。特にバットに当たった瞬間にどの辺りに飛ぶという判断と、目をボールから切った後の判断とボールが飛んでいる場所の予測です。飛球から目を切って後方に走り、もう一度飛球を見直すと、ボールの落下点とまったく違う場所を追いかけていたりするんです。
──その判断力を養うには一軍の練習量では足りないと思います。
緒方 はい。思い切ったプレーは二軍でないとできない部分もあるので、しっかり練習して身に着けていきたいなと思っています。あとは誰が見ても安心できるプレーを目指したいです。今は僕のところに飛球が上がると、周りはヒヤヒヤすると思うんです。
誰が見ても安心して捕球できるようにしたい。二軍だと選手やコーチの声が聞こえるので、プレーに対してしっかり反応できるのですが、甲子園での一軍戦は満員のお客さんの中でプレーします。そのお客さんの大きな声で周りの声が聞こえなくなります。だからこそ自分でしっかりとした判断をしないといけないと思いました・・・
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