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2011、12年に先発ローテーション投手として阪神を支えた岩田稔。13年は不調で2勝しか挙げられなかったこともあり、今季開幕前から先発ローテの中からその名前はなくなっていた。岩田本人も「このままでは」という意識でオフのトレーニングを変更。その成果が5月辺りから出始め、7月には4勝を挙げ月間MVPに輝く復活ぶりを見せた。新しいトレーニングで己を知り、己に克つ術を得た。
取材・構成=椎屋博幸 写真=佐藤真一、松村真行、石井愛子

体の流れに任せ


──以前はセットポジションで投げるときに、グラブを顔の前で構えていたはずですが、現在はベルト辺りに置いています。その理由などはあるのでしょうか。

岩田 言葉にするのであれば、ベルト辺りにグラブを置いた方がタイミングよく投げられる、ということです。顔の前にグラブを置くと、投球動作が大きくなるのと、上を向きながら投げてしまうような感覚になるんです。それをなくすために、下に下にという意識で投げています。

──その投球フォームに行きついたのはいつごろですか。

岩田 気が付いたらこの投球フォームになっていました。違和感がなかったので、いつの間にかこのフォームに。と言っても、その前も現在と同じ投球フォームだったんです。そのときよりも良くなりたくて、顔の前にグラブを置くフォームになっていったのだと思います。そこからおかしくなったんだと思いますね(笑)。グラブを顔の前に置いてからの投球フォームも合わなくなって、元に戻した、という感じです。

──投球フォームがなぜ変化していったと思われますか。

岩田 自分の体の流れにスムーズに動けるようにしたいと思って、その流れに任せた感じです。僕自身は、投げる前の動作で、右ヒザが右ヒジについてから投げようという感覚があるので、どうしても一度グラブは顔の前に来ます。これも自然の流れでなんです。今は、ベルトの辺りにグラブを置き、足を上げるときに、顔の前にグラブを持っていく。タイミングがそれで合ったんです。それにより、強いボールが低めに集まりだしました。

体幹の強さを得て


──オフにトレーニングを変えたと聞いています。その成果なども出たのでしょうか。

岩田 去年のままで過ごせば、自分のプロ野球生活が終わると思ったので・・・

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