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2015年シーズンへの課題 オリックス&阪神

 

4月に19勝8敗と好調に滑り出したオリックスだったが、シーズン中盤に力尽きて優勝はソフトバンクに譲った。だが、6年ぶりにクライマックスシリーズ(CS)出場を果たすなど、開幕前の下馬評を覆す躍進の1年となった。一方の阪神もCSに進出し、日本シリーズへと勝ち進んだ。今回は関西に拠点を置く2チームの課題を浮き彫りにしてみたい。

オリックス・バファローズ


復調が待たれる平野佳

 オリックスには、よくぞ2位に入れたと思わせるデータがある。それはサヨナラ試合に1勝11敗だったことだ。

 5月17日のソフトバンク戦(京セラドーム)で1対1で迎えた12回裏、無死一、三塁に伊藤光の右犠飛で勝利。これが昨年のオリックスがサヨナラ勝ちした唯一の試合である。その後はサヨナラ試合において11連敗のままだった。昨年のパ・リーグ各球団のサヨナラ試合の成績は以下のとおりである。

ロッテ 8勝2敗 .800
楽天 8勝5敗 .615
西武 6勝5敗 .545
▽ソフトバンク 7勝6敗 .538
日本ハム 5勝9敗 .357
▽オリックス 1勝11敗 .083

 日本ハムとのクライマックスシリーズ・ファーストステージ第3戦でも1対1で延長戦に入ると、10回表から当然のように救援の切り札である平野佳寿をマウンドに送ったが、中田翔に中越えに決勝ソロを打たれて日本シリーズ出場を逸した。

 平野佳は40セーブを挙げ、昨年のパ・リーグのセーブ王である。しかし、その投球内容は防御率3.43でセーブ5傑のなかで格段に悪かった。

40S 平野佳(オリックス)3.43
37S サファテ(ソフトバンク)1.05
31S 西野(ロッテ)1.86
29S 高橋(西武)2.01
25S 増井(日本ハム)2.48

 セーブを挙げるには1点差を確実に守り切れる投手でなければならない。防御率1点台のサファテ(ソフトバンク)や西野(ロッテ)はまさにうってつけの投手だが、3.43の平野佳では絶対の保証はない。13年と14年で奪三振率の点では、それほど大差はない。

左が防御率、右が奪三振率
▽13年 1.87 10.20
▽14年 3.43 10.44

 ではなぜ苦しんだのか。それは・・・

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