マイアミ・マーリンズのイチローは今年メジャー・リーグで通算3000安打に挑戦する。最近、影の薄くなった日本人打者は、昨年は規定打席に達したのはゼロであった。2001年にイチローがメジャー初の日本人打者として登場して以来、初のことである。第1号のイチローは昨年まで通算2935安打で、あと65安打で3000安打に到達する。一口に3000安打と言っても、メジャーに登場している投打合わせて1万8663人のうち29人である。この大記録に挑戦するイチローの歩みを振り返ってみたい。
写真=Getty Images

大記録達成の確率は90％、500盗塁にもあと2

　メジャーの最多安打記録保持者はピート・ローズの4256安打。日本で7年連続首位打者で1278安打を打って渡米したイチローは日米合計で4213安打で、ローズのメジャー記録にも43安打にまで迫っている。

　ここでローズの4256安打とイチローの日米通算の4213安打との比較はひとまずやめよう。ローズはイチローの日米通算を聞いて「自分もマイナー時代に427安打記録している」と言っている。

　1960年にDクラスのニューヨーク・ペンシルベニアリーグで89安打、61年にはDクラスのフロリダステート・リーグで160安打、62年にはAクラスのサウスアトランティック・リーグで178安打を打っている。

　Aクラスリーグから3階級特進で63年にメジャーのレッズ入りしたローズは、1年目にさっそく157試合に出場して打率.273をマークしていた。イチローもプロ入りした92年にウエスタン・リーグで87安打、93年にも69安打している。このファーム時代をプラスしても2人の記録はこうである。

▽ローズ 4683安打
▽イチロー 4369安打

「日米通算」はあくまでも話題の域に留めるものである。イチローがローズを抜いたと主張できるのはメジャーで4257安打を抜いたときだが、その差は昨年現在で1321本。これを現在のイチローに望むのは酷というものである。しかし、3000安打でも立派な大記録である。過去にもメジャーで29人しか達成していない記録だ・・・