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記録の手帳 / 千葉功

オープン戦とシーズン成績の因果関係を探る

 

開幕を前にして各チームはオープン戦で最後の調整を図っているが、この期間の成績はまったく信用できないという声も多い。08年のオープン戦で両リーグを通じて最下位であった巨人は開幕すると5連敗したが、最後は優勝した例もある。今回はオープン戦とシーズン成績の因果関係を検証してみたい。

昨年、オープン戦では8位ながらセ・リーグを制したヤクルト。今年もここまでは本調子ではないが、シーズンでは果たしてどんな結果になるか


開幕してからが本当の勝負


 08年の巨人はオープン戦で2勝10敗3分けで勝率.167の最下位であった。3月9日の日本ハム戦で2勝目を挙げたが、その後は●△●△△●●で、最後の5試合のうち3試合に完封負けで合計2得点。ここまでの戦いで最下位となった(日米親善試合は含まない)。

 巨人のオープン戦最下位は、92年に7勝12敗1分けで阪神と同率の11位に並んで以来16年ぶり。単独最下位は72年(5勝8敗2分け)に続く36年ぶりの屈辱であった。オープン戦最下位からリーグ優勝したのは74年のロッテ、01年の近鉄、04年の西武の例があるが、セ・リーグでは72年の巨人が最後である。

 巨人は3月28日に開幕してもヤクルト3連戦に3連敗を喫して4月1、2日の中日戦にも連敗。球団史上初の開幕5連敗だった。3日の中日戦の6回を終えて1対5とリードされていたが、7回裏に高橋由伸亀井善行小笠原道大の3連続ホーマーで6対5と逆転勝ち。なんとか軌道に乗った。それでも初めて2位に上がったのは7月11日。9月11日から10連勝し、21日にようやく初の首位。その後は阪神との熾烈な首位争いが続いたが、10月10日に優勝を決めた。11年以降の最近5年間のオープン戦の1位球団は11年の阪神、12年のヤクルトを除いて必ず優勝している。オープン戦で両リーグを通じて最下位だったチームは公式戦でも4位止まりである。


 オープン戦の成績から断言できるのは・・・

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プロ野球アナリスト千葉功によるコラム。様々な数値から野球の面白さを解説。

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