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記録の手帳 / 千葉功

打てない現代の投手たちと二刀流・大谷翔平

 

二刀流で鳴らす日本ハム大谷翔平が、6月5日の巨人との交流戦(東京ドーム)で五番・投手に起用されると、打っては1安打1打点し、投手でも完投勝ちした。クリーンアップを打った投手が完投勝利を挙げたのは1951年10月7日の阪神藤村富美男以来65年ぶりのことであり、2リーグ制になって2人目とは大変なニュースである。それはまた、まったく打てない現代の投手を裏書きするものである。(記録は6月7日に集計)

進化を見せる4年目の二刀流挑戦


圧倒的なポテンシャルを発揮している大谷。交流戦でもこの男が投打でキーマンになるのは間違いない


 大谷翔平は2013年にプロ入りしたときから二刀流として騒がれていた。入団1年目の13年の交流戦は、3度先発して1勝負けなし。6月18日の広島戦に先発して4回で退くと、再び交流戦で先発することはなかった。

 14年の交流戦は6度先発して3勝負けなし。翌15年は3度先発して2勝1敗。6月6日の阪神戦(甲子園)で先発した際は7回1失点と好投したが、打線が無得点だったので敗戦投手。打っても3打数3三振に終わっていた。

 今シーズンは交流戦直前の5月29日の楽天戦で六番・投手で先発すると、7回1失点で勝利投手。DH制を採用する試合で大谷が先発マウンドに立ちながら打席に入るのはこれが初めてであり、その期待に応えて打者としても5打数3安打の活躍だった。

 1週間後の6月5日に東京ドームの巨人戦に先発した大谷は、1回裏に大田泰示に先頭打者本塁打を浴びたが、10三振を奪って完投勝利。栗山英樹監督は「久しぶりに楽しそうにピッチングをしていたね。打者でも投手でも集中してやれていた」と投打で躍動した大谷を称えた・・・

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