週刊ベースボールONLINE

記録の手帳 / 千葉功

新人でセーブ王になった投手につきまとうジンクス

 

DeNA山崎康晃が4試合続けてKOされるという緊急事態が発生した。ラミレス監督は「配置転換する気持ちはない」と言っているが、今年のDeNAには11年ぶりのAクラス進出の希望もあるだけに、抑えのエースが戦列から消えるのは大きな痛手だ。昨年は37セーブをマークし、新人王にも輝いた山崎康はどうしたのか。今号では、記録の側面からハマの若き守護神をクローズアップしてみたい。

苦しいマウンドが続く山崎康。DeNAのCS進出にはこの男の活躍が不可欠なだけに、今後の巻き返しが待たれる


新人でセーブ王になった投手につきまとうジンクス


 昨年セ・リーグ3位の37セーブを挙げた山崎康晃は今シーズンも7月末時点では24セーブで、25セーブの巨人澤村拓一とタイトルを争っていた。ところが8月の声を聞くと状況が一変した。

▼2日 対阪神=2対2の同点で9回表から登板。7打者に3安打2四球で4失点で、今年3度目の敗戦投手となった。
▼3日 対阪神=4対2と2点リードの9回表から登板。先頭のゴメスにソロを浴びる。後続3人を抑えて結果的に1点リードを守りきったので25個目のセーブを記録する。
▼4日 対阪神=5対3と2点リードの9回表から登板。犠打を挟む3連打で1点を失ってさらに犠飛で同点とされ、この回限りで降板した。
▼5日 対中日=2対1と1点リードの9回表から登板。一死後から2安打1四球で満塁とされ、平田良介に走者一掃の三塁打を打たれて逆転を許した。

 結局4試合に連投して3回2/3を投げて10失点。今年の山崎康の月別防御率は3月0.00、4月4.26、5月0.75、6月3.60、7月0.82で8月は15.63と昨年のような安定感が見られない。(A表参照)


※8月はA表の後3試合に登板し計7試合、20日時点で6回1/3 3S 自責点11 防御率15.63

 8月5日の中日戦で今シーズン4度目の敗戦投手になったとき、ラミレス監督は「配置転換はしない。1週間ほど休ませる」と言っていたが、山崎康も新人でのセーブ王のジンクスから逃れられないのかと気になる。

 セーブ王になった日本の新人投手は2人いる。90年の与田剛(中日)と04年の三瀬幸司(ダイエー)である。与田は31セーブを挙げ、三瀬は28セーブだが、2人とも再びこのタイトルを手にすることはなかった・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

記録の手帳

記録の手帳

プロ野球アナリスト千葉功によるコラム。様々な数値から野球の面白さを解説。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング