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記録の手帳 / 千葉功

最も活躍している新人選手は誰だ!? 2016ルーキー通信簿

 

ペナントレースも大詰めに差しかかった。この原稿を書いている時点で広島の胴上げも目前である。そんなチームの中で岡田明丈横山弘樹の両新人投手たちも25年ぶりの優勝に一役買った。その一方でプロのユニフォームを着ながらも一軍の檜舞台に一度も立てなかった選手も少なくない。今回は各球団のルーキーたちの活躍にスポットを当ててみたい。

9月4日の巨人戦[東京ドーム]で念願のプロ初勝利をマークした中日小笠原慎之介。初登板から12試合目での勝ち星だった


高卒投手たちに立ちはだかるプロの壁


 昨年10月22日のドラフト会議で指名され入団したのは投手64人、打者51人の計115人(育成も含む)。投手64人のうち、ここまで一軍で登板できたのは28人であるから全体の43%と半数にも満たない。さらに勝ち星を記録しているのは13人だけである。

 高卒の投手は16人いるが、勝利投手になったのは9月4日になってやっと1人出ただけ。中日の小笠原慎之介である。東海大相模高で昨年夏の優勝投手になった小笠原は中日がドラフト1位で指名。5月31日のソフトバンク戦に先発したのがプロ初登板であった。1回に三番・柳田悠岐、2回には四番の内川聖一を連続三振に仕留め、5回で退くまで被安打1で4奪三振。3回に今宮健太に中前にタイムリーされて1点を失ったが、4回は三者凡退に抑えた。

 5回に無死から3者連続四球で満塁のピンチを招いたが、今宮を内角の直球で三ゴロ併殺打に仕留めてピンチを脱出。続く柳田に四球を与えて満塁にしたが、内川の懐を強気に攻めて中飛に打ち取った。ここまで92球で7四球とあって、この回で退いたが、初登板でこれだけ投げられれば、初勝利の日はもう近いものと思われた。

 しかし、その日はなかなか訪れなかった・・・

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プロ野球アナリスト千葉功によるコラム。様々な数値から野球の面白さを解説。

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