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記録の手帳 / 千葉功

偉大な男たちにどこまで迫れるか「連続出場記録」への挑戦

 

開幕は選手たちの記録への挑戦の始まりでもある。阪神鳥谷敬は古巣の遊撃のポジションは若い選手に譲り、二塁あるいは三塁で自己が持つ連続試合出場記録の延長を狙う。2016年シーズンを終えた段階で1752試合連続は史上第3位だが、2位が目前である。ここまでくれば衣笠祥雄の2215試合も視野に入ってくるが、鳥谷は果たして衣笠の記録にどこまで迫れるのか。(成績は3月22日現在)

再び不動のレギュラー奪取を目指す阪神の鳥谷敬。復調して連続出場記録をさらに更新していってもらいたい


歴代3位の記録保持者、鳥谷の復活なるか


 鳥谷敬は今年の6月で36歳になるベテランだが、オープン戦でもアピールするために若手に交じって連日出場している。

 長いこと阪神の正遊撃に定着していたが、昨年の7月23日の広島戦で4打数1安打に終わって打率.231となると、翌24日の広島戦のスタメンから鳥谷の名前は消えた。この瞬間、2012年3月30日から続いていた連続試合フル出場記録もストップ。打撃でも守備でも精彩を欠いていたので、ついに来るべきときがきたという感じであった。

 しかし、ベンチにあった鳥谷は1点リードの6回二死満塁に代打で起用されると、広島のへーゲンズの2球目を一、二塁間にしぶとく運んで内野安打とした。その後の鳥谷は代打で出場して遊撃を守ったり、三塁を守ったりして143試合すべてに出場。04年9月9日以来の連続出場を1752試合として16年を終えた。これは2215試合の衣笠祥雄、1766試合の金本知憲に次ぐプロ野球史上第3位であり、金本監督は「この記録は続けさせたい」と言っているので、鳥谷の連続記録への挑戦はまだ当分続きそうである。【A表参照】


 まだまだ活躍できる力を有している鳥谷である。代打の打率一つにしても昨年は20打数6安打で.300だ。阪神の代打の打率は.197でリーグ5番目。阪神より悪いのは.171の巨人だけである。10試合以上に起用された阪神の打者の中では.300の緒方凌介と同率である。

 遊撃の位置は奪われたが、二塁、三塁を守ることはできる。今年のオープン戦でも初め二塁を守っていたが、中盤から三塁に固定された。昨年のペナントレースでも阪神は三塁には鳥谷を含め8人の選手を起用・・・

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プロ野球アナリスト千葉功によるコラム。様々な数値から野球の面白さを解説。

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