週刊ベースボールONLINE

記録の手帳 / 千葉功

試合終盤の頼れる仕事人 代打戦線に異状あり

 

開幕して間もないのにセ・リーグでは代打による劇的な本塁打が続出している。対照的にパ・リーグの代打本塁打は1本であり、首位を走る楽天の代打陣は機能していない。それでも交代選手の力を借りなくてもスタメンで出場する選手たちが力を十二分に発揮しているので、チームの勝敗には影響していない。今号では代打にスポットを当ててみたい。(記録は5月16日現在)

今年は代打での起用が多い巨人の脇谷。トータルではまずまずの成績を残しているが、広島戦ではノーヒットに封じられている


広島戦で打てない巨人の代打陣


 5月13、14日にマツダ広島で広島対巨人の2連戦が行われた。結果は広島が11対2、8対1で連勝。巨人は2位の広島に3ゲーム差、首位の阪神には4.5ゲーム差をつけられた。2試合を通じて巨人の代打で出場した5人がノーヒットに終わったのに対し、広島の代打は14日に2安打をマークしていた。

 昨年の巨人の代打陣の通算打率は.171でリーグワーストであった。代打の最多安打といっても相川亮二の6安打では代打専門の打者がいなかったというのが現実だ。しかし、今年の巨人の代打の打率は.269でリーグ最高である。(A表参照)


 首位に立つ阪神は.214であり、DeNAは.169で最低であるのに比べると巨人は充実している。代打による打点も14で、広島に次いで2位とあれば文句なしである。そんな巨人の代打が先の広島2連戦では打点ゼロとはどうしたことだろう。この2連戦に関してだけではない。巨人の代打は広島戦ではまったく打てないのである。広島戦では19打数2安打で打率は.105にしかならないのである。

 脇谷亮太の代打での打率は.333で、セ・リーグでも有数の代打であるが、広島戦に限ると6打数0安打で5三振である。何か大きな弱点をつかまれている感じである。

 広島戦で1〜3回戦の終盤に代打に起用されているが、すべて三振。4月26日に5対7とリードされた8回表に代打に起用されたときに中飛に終わったのが、三振以外の唯一の成績であった。

 一方の広島は巨人戦で、代打では・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

記録の手帳

記録の手帳

プロ野球アナリスト千葉功によるコラム。様々な数値から野球の面白さを解説。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング