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記録の手帳 / 千葉功

セの大逆襲はあるのか!?交流戦に見る両リーグの実力

 

2017年の交流戦が始まった。相手リーグの各球団と3試合ずつ行う短期決戦は、両リーグの実力を測る格好の舞台である。その結果はご存じのとおり、初年度の05年から昨年までの12年のうち11回はパ・リーグが勝ち越している。しかも最近はその差が大きく開いているのも気になる。このままでは交流戦は、パの一方的な強さだけがさらに際立つものになってしまう。(記録は5月24日現在)

今年も交流戦の優勝候補はソフトバンクか。得意の短期決戦でどこまで勝ち星を伸ばすか、はたまたセの6球団はソフトバンクを止められるのか


交流戦スタート当初は両リーグの力は拮抗


 2005年に始まったセ・パ交流戦だが、最初は両リーグの力は均衡していた(カッコ内の数字は引き分け)。

▼05年=パ105勝、セ104勝 (7)
▼06年=パ108勝、セ107勝 (1)

 パ・リーグが2年連続で勝ち越したとはいえ、その差はわずかに1勝だけである。07年はパの74勝66敗4分けと少し差を広げたが、08年はパの73勝71敗の僅差であり、09年はセ・リーグが70勝67敗7分けと初めて勝ち越した。だが、セが勝ち越したのはこの年だけである。(A表参照)

○内の数字は引き分け数


 翌10年はパが81勝59敗4分けと22も勝ち越した。また、パの6球団がすべて勝ち越して1〜6位までの上位を同一リーグが独占した。これは交流戦史上初のことであり、さすがにその後も再現されていない。

 交流戦の通算勝率はソフトバンクがダントツの1位(.625)であり、優勝も08、09、11、13、15、16年と最多の6度を数える。パでは05、06年がロッテ、07年が日本ハム、10年がオリックス。一方のセでは巨人が12年に17勝7敗で初優勝し、14年にも16勝8敗で1位になっているが、セの他球団で優勝したチームはない。08年の阪神は15勝9敗で1位のソフトバンクとまったく同じ成績であったが、前年の交流戦で9位のソフトバンクが10位の阪神の上であったので、交流戦の規定により惜しくも優勝を逃した。

 交流戦で救いようがないのがDeNAである。横浜時代の05〜07年は19勝17敗、15勝21敗、14勝9敗1分けとそれなりの成績を残していたが、08年からは3年続けて6勝18敗。12年にDeNAとなってからも浮上の兆しはなく、毎年のように1ケタの勝利数に終わっている。

 14年に13勝11敗と7年ぶりに2ケタの勝利数を挙げたが、15年は3勝14敗1分け。6月3日からは1分けを挟んで10連敗で終了。3勝14敗1分けというさんざんな結果であった。昨年のDeNAは11年ぶりに3位に躍進したが、交流戦では7勝11敗。例年と変わりばえしない低調な成績であった。

 今年は目を見張る成績を残して交流戦に弱いセの汚名を何とか返上できないものか。5月30日から始まる今年の交流戦でDeNAがまず対決するのが日本ハム。昨年も0勝3敗であり、通算でも18勝31敗1分けと苦手な相手ではあるが、日本ハムも大谷翔平を欠くなど苦しい戦力だけにチャンスはなくはない。交流戦でのDeNAの躍進に期待したい。

交流戦を一番苦手としているのはDeNA。今年は巻き返しなるか


セの中で唯一パと対等に戦う巨人


 セで唯一パのチームと対等に戦っているのは巨人であり、交流戦の通算成績も156勝135敗9分けで.536である(中日も勝ち越しているが、147勝143敗10分け)。

 その巨人でもソフトバンクには18勝32敗であり、ロッテにも17勝30敗3分け。つまりこの2球団への奮起がセには望まれるわけである。

 かつて日本シリーズで南海と10回対決して9回は日本一に輝いた巨人(00年はダイエー)も、05年にダイエーがソフトバンクと名が変わってからは往年の力は発揮できないでいる。ソフトバンクの対巨人の各年の成績は・・・

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