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セ・リーグはいろいろ考え過ぎて、シンプルさを失ってしまっていた。そう映った今年の交流戦やった

 

交流戦はパがセを圧倒!チーム力の差が歴然としてた


 早いもので、もう交流戦は終了した。交流戦がスタートしたころと違い、1チーム18試合だから、早く感じるのも当然。束の間の休息を挟んで、またレギュラーシーズンの再開となった。

 さて、今年の交流戦、顕著な結果が出たわな。まずパとセの勝敗だが、パの61勝44敗3分けですわ。パ・リーグの勝ち越し17という圧倒的な数字が出た。セ・リーグのファンは歯ぎしりしていると思うが、これって、オレはある程度、予想の範囲と思っている。ただ、チーム別の成績を見れば、パ・リーグが上位を独占し、セでは阪神の貯金2が最高という結果。セでも、どこかがもっと上位に入るやろう、と考えていただけに、パの強さだけが際立ったシリーズになった……と言わざるを得ないだろう。

 なぜ、このような偏った結果になったのか。オレなりに分析したけど、はっきりいえるのは、チーム力の差が歴然としていた……ということに尽きる。とにかくパ・リーグの野球はスケールがデカい。スケールの大きな選手がそろい、チームもスケールの大きな野球をする。これはまさしく「力」であり、パワー・ベースボールの真骨頂……とオレは感じている。

 現実にこの交流戦、新聞の評論のために生で見たゲームで信じられないのが目の前で起きた。甲子園での阪神対ロッテ戦(6月3日=甲子園)だったけど、8点差をつけた阪神に対し、ロッテが中盤に一挙8点、同点にしたんよね。普通はありえない話よ。8点差もつけられているわけよ。普通は負け……と思うし、そんな空気になっても不思議でないよね。しかし、そんな常識は当てはまらないのがパ・リーグの野球で、勢いがつき始めると、もう止まらない。スケールの大きさが浮き彫りになる。相手が防御策に出るが、それをものみ込んでしまう迫力で、8点差をチャラにする。これがすごいわ。

 さらに、もっとすごいゲームがあった。(前日2日)9回で、それも二死からランナーが出て、1人、2人、3人と塁が埋まり、満塁となる。そこで角中が逆転満塁ホームランですわ。最後の攻撃で、それも二死ランナーなしの状況からの逆転劇です。これはもう劇画の世界……。あ然、ぼう然、オレは言葉が出なかった。滅多に見られぬ奇跡的なシーンこそ、パ・リーグの底力、スケールの大きさを象徴していたと感じたわ。

阪神戦[6月2日]で9回二死走者なしからのロッテ・角中の逆転満塁本塁打を見て、パ・リーグのスケールのデカさを感じたよ



 例えば本塁打数の比較をすると、パ・リーグがちょうど100本、セ・リーグが88本で、そうは大きな開きにはなっていない。ただ・・・

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岡田彰布のそらそうよ

岡田彰布のそらそうよ

選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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