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岡田彰布コラム

広島の今年の強さはやるべきことをきちんとできるから。マエケンロスは感じられへん。今後後半戦必ず底になるときがくる。でも、脅かすチームがなあ……

 

まさか、まさか広島のひとり旅も「本物」や


 エラいことになってもうたな……。まさかの展開よ。エッ、何のことを言うてるって?セ・リーグのペナントレースのことよ。まさか、まさかの広島ひとり旅。この原稿を書いている時点(6月28日時点)で、2位に9ゲーム差をつけた。こりゃ独走よ。シーズンの半分を過ぎたところで、この1強状態。さすがにオレもここまでは予想できんかったわ。

 果たして広島の強さは本物かどうか?これが今週号のテーマです。オレの現時点での結論は「本物」ということ。それをついこの間の広島対阪神3連戦で確認できたからね。6月24日から26日までの対戦を、オレはデイリースポーツの評論のため、現地で取材した。さすがに阪神が意地を示して、せめて勝ち越しするのでは……と思っていたけど、まったく逆の展開。広島が3戦すべて接戦を制して3連勝やないの。阪神のだらしなさもあったけど、広島の手のつけられない勢いをまず感じたわ。とにかく相手がミスすれば、そこにつけ込む。野球はミスしたほうが負けるスポーツなわけであるが、その相手のミスを生かせないチームもある。いまの広島にはそれがない。ミスに乗じて、ねじ伏せにかかる。これができるのはなぜか?広島がやるべきことをきっちりとこなしているからなんよ。普通に戦っている。この普通に戦うということが難しいのだが、ほかの5球団に比べ、広島はそれができている。これが最大の強みになっているわけよね。

 開幕前、オレは週ベの順位予想をたのまれたとき、広島をBクラスにした。その理由はやはり前田健太というエースがいなくなる点。これが大きいと予想したわけ。メジャー・リーグに行ったエースの穴をどう埋めるか。これは想像以上に大きな穴と思うわね。15勝がなくなるわけよ。これをどう補うか。これはしんどい。だから申し訳ないけどBクラス。オレはそう考えたわけやけど、実際、シーズンが始ると、まったくエース不在を感じさせない投手陣のがんばりが目についた。

 黒田博樹、ジョンソンは計算できるとして、そこから野村祐輔が飛躍的な伸びで、もう2ケタ勝利に近づいた(※その後両リーグ最速で10勝に到達)。さらに岡田明丈などの若手の躍進。セットアッパーの外国人もハマり、クローザーもまだ全幅の信頼は寄せられないけど、それなりに頑張っている。今では「マエケンロス」を口にする人はほとんどいなくなった。それほど投手陣を含めた守りが充実している。

 野球はやはり守りよ・・・

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岡田彰布のそらそうよ

岡田彰布のそらそうよ

選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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