昨夏の高校野球、石川県大会決勝で0対8の9回裏に奇跡のサヨナラ劇を演じ、全国を沸かせた“ミラクル星稜”。その試合でキーマンとなったのがこの右腕だ。勝利に懸ける執念の大切さを学び、プロの世界でも懸命に腕を振っていく。 2013年シーズンで現役を引退し、現在は
ロッテ球団スカウトを務める
小野晋吾氏は自信を持って太鼓判を押す。
「3年後には必ず一軍で活躍してくれる投手。体格はいいし、試合には早く出場できると思う」
00年最高勝率のタイトルホルダーが担当した初めてのプロ野球選手が、今季ドラフト3位でロッテに入団した
岩下大輝だ。
名門・星稜高では1年秋からエースナンバーを背負い、2年夏に同校を6年ぶりの甲子園へと導いた。
翌14年夏には石川県大会決勝で先発したものの打ち込まれ、4回から右翼へと下がった。8回終了時点で0対8と大敗ムード。しかし9回表に再びマウンドに戻ると、「石川県立球場で投げるのは最後。悔いのないようにしたかった」と三者三振の気迫の投球で流れを変える。するとその裏に自らの2ランを含む一挙9得点の猛反撃。ドラマのようなサヨナラ劇で2年連続優勝を飾った。
「あの決勝の試合は、とてもためになるものだった。思い続ける大切さを学びましたし、それ以上に相手を思いやることも勉強しました」
2度目の夏の甲子園では、ひと回り成長した姿を披露。前回は初戦敗退に終わったが、今度は初戦の静岡高戦で9回4失点の完投勝利。続く鹿屋中央高戦でも勝利投手となり、16年ぶりの3回戦進出を果たした。
同大会で最速146キロをたたき出し、伸びしろ豊かな先発右腕と期待されてのプロ入り・・・
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