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中居正広のとことん野球好き!!

第7回 予想外の展開!だからプロ野球は面白い

 

 大方の予想ではセ・リーグは団子状態での優勝争い、パ・リーグはソフトバンクの独走状態が続くと思われていた今年のプロ野球でしたが、両リーグともにまったく違う展開となりましたね。

 特に驚いたのはやっぱりセの広島。エースのマエケン(前田健太)が抜けた今季、広島がこれほどまでの独走態勢で優勝するとは正直、開幕前に予想していた人はほとんどいなかったと思います。でも、こういう風に予想を超えることが起きるからプロ野球は面白いんですよね!


下馬評を覆す快進撃で25年ぶりにセ・リーグを制した広島。マエケンが抜けた穴をみんなでカバーし、本当に見事な野球を見せてくれています


 これは「たら・れば」の話になりますが、もし今季、マエケンがいたとしたら……果たして優勝できていたのかなと考えると、ちょっと分からないと思うんです。戦力的には絶対に強いはずですが、もしかしたらマエケン頼りになってしまって特に投手陣はここまで力を発揮できていなかったかもしれません。逆に絶対的なエースが抜けたからこそ、1人ひとりが「オレがやらなければ!」という責任と自覚が自然と芽生えた。それが結集されたのが、今季の広島の強さだったのかもしれませんね。

 僕は春先からマエケンの穴を広島の投手陣がどう埋めるのかがすごく気になっていました。でも、春のキャンプで大瀬良大地がヒジの故障で戦線離脱したときに「うわあ、これでますます大変な状況になっちゃったなあ」と思っていたんです。ところがふたを開けてみれば、そんな心配は無用。広島の投手陣の安定感はずば抜けていました。テレビの前で「すっげぇなぁ!」と何度つぶやいたことか……。

 もちろん投手陣の活躍には打線の援護も欠かせません。昨季、不振に終わった「キクマルコンビ」の復活はもちろん、一番に田中広輔が定着したことによって、二番・菊池涼介、三番・丸佳浩と上位打線がきちんと固定できたことが打線に安定感を生み出したような気がします。そして、その部分がセの他球団との差だったのかなと思いました。

 それにしてもセのMVPを決めるのは難しいでしょうねえ。守備の要と言えば、センターラインの菊池、田中、丸は外せないですし、打線をまとめたのはやっぱり四番の新井貴浩。それに鈴木誠也の神がかった活躍もあったしなあ。投手陣には野村祐輔中崎翔太がいて、また数字以上に黒田博樹の存在が大きかったような気もしますし……もう僕にはとても決められません(笑)!!

 でも、こうして見ると誰か一人の強さではなく、働くべき人が働くポジションできちんと期待どおりの働きをした。これこそが、今シーズンの広島の強さだったんだなということが分かりますよね。

 さぁ、10月8日からはクライマックスシリーズが始まります。どんな戦いが見られるのか、そしてどんなスター選手が現れるのか。ペナントレースとはまた違う短期決戦ならではのプロ野球を楽しみたいですね!

PROFILE
なかい・まさひろ●1972年8月18日生まれ、神奈川県出身。アイドルグループ・SMAPのリーダーとして活躍する国民的アイドル。歌手や俳優業だけでなく、司会者としての才能も発揮。「NHK 紅白歌合戦」をはじめ、多くのテレビ番組で司会を務めている。プライベートでは大の野球好きでもあり、2013年のワールド・ベースボール・クラシックでは「WBC侍ジャパン公認サポーター」も務めた。
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