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中居正広のとことん野球好き!!

第8回 父と野球と僕

 

 今では僕が野球が好きだということは広く知られていますが、そもそものきっかけは父親でした。父自身は野球部でやっていたわけではなかったみたいですが、スポーツは何でも得意で、僕が子どものころは草野球をやったりもしていたんです。自宅に帰ってきて観るテレビと言えば決まって巨人戦!だから僕も自然とプロ野球を観るようになりましたし、物心ついたころには遊びは決まってキャッチボールでした。

父の影響で野球を始め、小学生のときはテレビと言えば巨人戦だった。写真は1981年の日本一決定の瞬間


 僕は小学校に入るころにはプロ野球選手になると決めていて、6年間は野球漬けの日々を送りました。そんな中、朝、壁当てで送球の練習をしている僕のフォームをチェックしてから仕事に出かけるというのが父親の日課だったんです。

 そうそう、僕がプロに入るには、まずは甲子園に出場しなければいけないと思って「Y校」こと横浜商業高に行くつもりだ、と言ったことがありました。そしたら、父が「Y校に入るには、九九ができないとダメだぞ」と。それで一生懸命に九九を勉強したのを覚えています(笑)。

 あとは一番うれしかったことと言えば、小学3年のときにグラブを買ってもらったこと。一番上の兄貴も少年野球をやっていたので僕はずっとそのお下がりを使っていました。そしたら、ある日スポーツ用品店のセールの広告チラシを見た父が、突然買ってくれると言ってくれたんです。それで、2人で自転車で2駅先のお店まで行きました。広告にあったグラブを見つけたときは、「これだぁ!」って(笑)。2980円の、しかも有名ブランドのものではなく、あまり聞いたことのないマイナーなメーカーのグラブでしたけど、僕にとっては初めて手にしたマイグラブでしたから、もううれしくて、うれしくて仕方ありませんでした。実際に手にはめてみたらすごくいい感じで、すぐに気に入りました。手入れもきちんとやりましたよ。週に一度、汚れを拭いて、油を塗って、乾かして……。そうやって、6年生の最後まで大事に、大事に使いました。

 小学生の僕にとって、父は「野球が巧い人」でした。だから、いろいろと教えてもらっていたのですが、あらためて「やっぱり、すごい!」と思ったのは小学6年の最後、お別れ会みたいな感じで、僕たち小学生チームと、保護者チームで試合をしたときでした。ピッチャーは誰だろうと思っていたら、マウンドに上がったのは僕の父。「マジかよ!?」と思いながら打席に立ったんですけど、とにかくコントロールがメチャクチャ良くて、全部ストライクゾーンに入れてくるんです。小学生の僕にしたら、球速もなかなかあって見逃しで3球三振したのを覚えています。「うわぁ、これが手も足も出ないということかぁ……」と悔しがっている僕を、父はマウンドからニコニコと笑って見ていましたね。

 野球を好きになって、こうやって今お仕事として携われるのも父のおかげ。あらためて感謝ですね。

PROFILE
なかい・まさひろ● 1972 年8月18日生まれ、神奈川県出身。アイドルグループ・SMAP のリーダーとして活躍する国民的アイドル。歌手や俳優業だけでなく、司会者としての才能も発揮。「NHK 紅白歌合戦」をはじめ、多くのテレビ番組で司会を務めている。プライベートでは大の野球好きでもあり、2013年のワールド・ベースボール・クラシックでは「WBC侍ジャパン公認サポーター」も務めた。

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