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中居正広のとことん野球好き!!

中居正広コラム第25回 欲しかったホームランボール

 

僕が初めて生でプロ野球を見たのは神宮球場でした。選手たちのプレーやキラキラとしたカクテル光線はいまも記憶に深く残っています。


 先月に発売された週刊ベースボール5月28日号の「野球場特集号」をパラパラめくりながら、いろいろ記憶を辿っています。古今東西のたくさんの球場の記事が載っていますが、「自分にとって思い出の球場ってどこだろう?」って考えていくと、やっぱり初めて生でプロ野球を見た神宮球場かなと。

 小学校3年か4年生ぐらいのときに当時入っていた少年野球チームのコーチに連れて行ってもらって、対戦カードは確かヤクルト阪神だったと思います。なぜヤクルト戦だったかというと、僕の住んでいた家のすぐ裏にヤクルトの工場があったんです(いまもあるのかな〜)。そこにコーチが勤めていた関係でチケットを手配してくれたんですよね。本当にうれしかったですし、あのワクワク感はいまも忘れません。席はライトスタンドの上のほうだったんですけど、目の前にテレビで見ていた選手たちがいて「すげ〜!!」とずっと連呼していた気がします。

 そのときのエピソードをもう少し触れると、僕らはせっかく球場に来たのでコーチに「ホームランボールが欲しい!」と言ったんです。まあ無理なお願いですよね(笑)。それで本当はやっちゃいけないんですけど、長距離打者の杉浦亨さん(ヤクルト)の打席だけ「よし、お前たちこっち来い」ってボールが捕りやすい通路に移動して、グラブ片手にドキドキしながら「頼む杉浦、来い!来い!!」って応援していました(笑)。

 結局、杉浦さんからホームランは出なかったんですけど、同じヤクルトの若松勉さんが終盤に僕らが座っているすぐ側に特大のホームラン!!ボールは捕れませんでしたけど「若松が打ったぁ!」って大興奮したのをいまでも覚えています。

後楽園球場も父親と何度も行った思い入れのある球場です


 ほかにも同時期に父親と初めて行った後楽園球場もすごく印象に残っています。しかもその試合は堀内恒夫さんの引退試合で、堀内さん自身もホームランを打ったんですよね。度肝を抜かれましたし、やっぱり生で見る選手はカッコいいなあと感激しまくった試合でもありました。

 この世界に入ってからはなかなか外野スタンドで見る機会はないですけど、あの雰囲気、特に屋外球場で風を感じ、冷えたビールを飲みながら観戦するのは野球好きにとってはたまらない贅沢な時間ですよね。あとはテレビでもそうですけど、僕は球場でも配球や駆け引きを見るのが好きなんですよね。「ここで内角いっちゃうの!?」「うわ、外で勝負なの!」とか……ずっとブツブツ言っているので、周囲からしてみればホントに迷惑だと思います(笑)。

 もちろんテレビやラジオにも楽しみ方はたくさんありますけど、やっぱり野球は生で見るのが一番。バットとボールが当たる音、球場でしか感じることができない歓声や雰囲気……特に子どもにとってみればその時間は、大人になっても僕と同じようにきっと忘れられない大切な思い出になりますからね。

 今回も文字数があっという間に尽きてしまいましたが、次回は球界の話題をさらっている「あの選手」について書いてみたいと思っています。
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