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中居正広のとことん野球好き!!

中居正広コラム第30回 ジャイアンツの宿命

 

常勝が求められる巨人だけに、今回の原さんへの監督交代に驚きはなかったですが、もう少しだけ高橋由伸監督が指揮する姿も見たかったですね


 激闘の末に日本一チームも決定し、2018年シーズンが終わりましたね。本当に今年もいろんなことがあったので、野球好きとしてはお酒でもゆっくりと飲みながら「あんなことあったな、こんなこともあったな〜」って余韻に浸りたいところなのですが(笑)、各チームはもうすでに来シーズンに向けての戦いの準備を進めています。

 特に巨人は高橋由伸監督の退任が急転直下で発表され、その2日後には原(原辰徳)さんが後任としてほぼ決定みたいに報道されました。正直な気持ちとして「まだこっちはヨシノブを全然引きずっているし、傷も癒えてないから!!」って感じでしたよね(笑)。これはヨシノブうんぬん、原さんうんぬんではなくて、次に移行するまでの展開があまりにも早過ぎるよって。ただ、これがプロの世界であり、常に勝利が求められるジャイアンツというチームの宿命でもあるのかなとあらためて感じさせられました。

 ヨシノブ体制での3年間は優勝こそできませんでしたけど、若手の岡本和真吉川尚輝らを成長させるなどチームを前に進めてくれたと思います。だからこそ、もう2〜3年は見たかったなと……。こういうふうに感じているのはきっと僕だけではないはずです。実際に周囲の巨人ファンの方からもヨシノブに関しては最初から最後まで一貫して温かなものでしたし、これまでの監督の中でも特殊な人のような気がします。やっぱりそれは監督になった経緯もありますけど、一番は彼の人間的な魅力が大きいと思います。このコラムの中でも一度書きましたが、本当に裏表のない素晴らしいナイスガイですからね。そんな彼だからこそ、また指導者として帰ってきてくれる日を楽しみにしています。

原監督


 そんなヨシノブの後を受け、4年ぶりに復帰した原さんがどんなジャイアンツをつくっていくのか。特に若い選手たちへの接し方に注目しています。これは野球に限らずスポーツ界全般に言えることですけど、一昔前と今とでは選手の指導法もだいぶ違ってきていますよね。それこそマンガの『巨人の星』的な汗と涙とド根性みたいなやり方では、いまの若い子たちはもう付いてこないのかなと。野球そのものが変わってきているのと同様に、指導のアプローチの仕方も変わってきているとすごく感じます。特に今年は各スポーツ界でいろんな問題も噴出しましたから。

 また、原さん以外にも新しく首脳陣の一員に加わった宮本(宮本和知)さんと水野(水野雄仁)さんの両投手コーチの手腕にも期待しています。日本シリーズを見てさらに感じましたけど、いまの野球は試合終盤のブルペンが勝利への大きなウエートを占めています。頂上決戦まで勝ち進んだ両チームの7、8、9回の継投を見たときに、その充実ぶりをまざまざと感じましたし、投手陣の再整備は絶対条件。外国人投手の起用法も含め、2人の新コーチの存在もカギになりそうだなと密かに思っています。
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