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中居正広コラム第69回 明暗分かれた序盤戦

 

開幕から苦しい戦いが続く阪神。ここからの巻き返しはなるか


 ペナントが開幕して約3週間あまりが経ちました。セ・パ両リーグともにいろいろと想定外のことが起きていますが、良くも悪くも、やっぱり投手陣がいかに安定しているかが大きいんだなあと感じています。その中でも“想定外”という意味で最も驚かされたのは阪神です。これほどまでにつまずくとは……。誰も想像していなかったはずです。

 一番は開幕戦での負け方が大きく影響しているのかなと。開幕戦って本来「今シーズンはエースとして頼むぞ」と監督が一番に信頼を置いている投手を起用することが多いですよね。だから僕なんかは勝手にロースコアの展開を予想していたんです。ところが結果的には打撃戦。しかも最大7点差を8、9回の大量失点でひっくり返されてしまった。見ていた僕のほうがひっくり返っちゃうくらい衝撃的な逆転劇でした。

 僕が個人的に注目していたのはストッパーとして活躍していたスアレス(ロベルト・スアレス)の穴を誰が埋めるかで、いきなり新守護神のケラーで失敗してしまった。湯浅京己岩崎優の起用も考えていると思いますが、いずれにしてもストッパーを固定できるかどうかがすごく重要かなと思います。

 その中で泥沼のチームを救うのは先日、戦列に復帰した昨年最多勝の青柳晃洋かなと。彼が先発ローテの柱になってくれると首脳陣も計算しやすくなると思います。加えて、左の高橋遥人あたりが出てくれば。いずれにしてもチーム浮上のためには、投手陣の立て直しが急務。2ケタにふくらんでしまった借金を5月下旬からの交流戦までにどれくらい返せるかが、大逆襲への1つのカギになるのかなと思います。

 一方のパ・リーグはというと、球団として67年ぶりに開幕8連勝を飾ったのがソフトバンク。ただ開幕当初、打線は栗原陵矢以外はそれほど派手な活躍をしている打者はいなかった。しかもその栗原がシーズンを棒に振ってしまうほどの大ケガを負ってしまい戦線離脱……。さらに主軸の柳田悠岐もケガで戦線離脱し、ソフトバンクとしても決して楽観視できる状況ではないはずです。

 それでも強さを見せているのは、やはり投手陣の力。特に6回以降を任せられるコマがそろっているのは大きいなと。しかも二軍にも甲斐野央泉圭輔と一軍昇格を虎視眈々と狙う実力者が控えているわけですからね。チームとしての層の厚さはさすがだなと思います。

開幕ダッシュに成功したソフトバンク。モイネロをはじめ、ブルペンの充実ぶりはさすがですね


 気になるのは山川穂高森友哉をケガで欠いてしまっている西武(山川は4月19日に一軍復帰)。一発を期待できる打者が2人ともいない中、僕が注目しているのは二軍で調子を上げている2年目の若林楽人です。俊足の彼がラインアップに名を連ねて機動力野球に切り換えるようなら、また違う怖さ、いやらしさがある打線になるんじゃないかなと思っているんです。なので、若林を一軍で早く見たいですね。

 いずれにしてもまだ戦いは序盤戦が終わっただけ。今後もいろいろな面で“想定外”のことがたくさん起きるでしょうから、僕もしっかりと見逃さないよう、セ・パの戦いの行方を追っていきたいと思っています。

PROFILE
なかい・まさひろ●1972年8月18日生まれ、神奈川県出身。俳優業だけでなく、司会者としての才能も発揮。「NHK紅白歌合戦」をはじめ、多くのテレビ番組で司会を務めている。プライベートでは大の野球好きでもあり、2013年には「WBC侍ジャパン公認サポーター」、第4回WBCでも「公認サポートキャプテン」に続いて「世界野球プレミア12 侍ジャパン公認サポートキャプテン」も務めるなど、豊富な知識とあふれる野球愛でその活躍の場を広げている。
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