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野球界の裏方仕事人

テレビ中継リポーター・竹村美緒 プレー“+α”で選手の魅力を伝える 「活躍した試合を気持ち良く締めくくってもらいたい」

 

野球界の舞台裏を支える仕事人を紹介する連載の第3回目は、テレビ中継のリポーターを務める竹村美緒さんの登場。試合の臨場感、プレーの躍動感とともに、選手の“姿勢と声”を届けるべく、奮闘の日々を送っている。
取材・文=鶴田成秀、写真=石井愛子、BBM

J SPORTSテレビ中継リポーター◎30歳/勤続2年目


四苦八苦の日々


 不甲斐ない思いが込み上げる。球場へ向かう道中でのこと。その日、試合が行われる京セラドームが目に入ると涙があふれ出た。

「この仕事を始めたころは、うまくいかないことばかりで。今でも、まだ足りないことは多いですが、リポーター1年目の昨年は、選手に何を聞けばいいのか、視聴者のファンの方たちは何を知りたいのか、やればやるほど分からなくなっていったんです。中継でも、うまくコメントを挟み込むことができず……。自分に対しての悔しさもあったんだと思います」

 一投一打に全力を注ぐ選手たち。その試合の模様を生中継する中で、選手の談話やエピソードを盛り込むのも大事な仕事だ。そのため、18時の試合開始でも、球場に入るのは13時前。試合に向けて早出練習を見た後に、選手への取材。さらにホーム、ビジターの全体練習にも目を光らせ、コメントを取りに選手の下へ歩み寄る。練習の意図、現在の課題など、切り口は無数にある中で、果たして選手の思いを汲(く)めているのだろうか──。自問自答の日々を過ごす中で、知らないうちに自らを追い込んでいた。

 中でも四苦八苦したのは、話題が野球の技術に及ぶときだ。聞き慣れない専門用語も多く、さらに自分自身が野球未経験とあって、打撃や投球の“感覚”の話になると質問に詰まった。

「選手と言葉のキャッチボールができなかったんです・・・

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舞台裏の仕事人

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