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春の珍事! 得点力不足に悩むソフトバンク打線

 

4月14日のオリックス戦で金子の前に3打数無安打、1三振に倒れたデスパイネ。他の選手とともに奮起が求められる



(本文)
 試合がなかった4月17日、ソフトバンク野手陣の数人が翌日から試合が行われるZOZOマリンに併設する室内練習場で打撃練習に励んだ。指名された今宮健太上林誠知は開幕からスタメンで起用されながら、5カードを終えた時点でそれぞれ.241、.211と打率が低迷。自主的にマシンを打ち込んだデスパイネも打率.224では柳田悠岐内川聖一との強力クリーンアップの底として心許ない。クリーンアップの後を打つ中村晃が.277、松田宣浩にいたっては1割台に沈む。14試合で50得点、セ・リーグトップの広島が15試合で90得点だから、優れた打者は並んでいるけれども、打線としての機能性を失っているとしか言いようがない。

 得点したイニング数はソフトバンクが14試合で28に対し、広島は15試合で38。内訳を見ると、

1得点 16 14
2得点 6 11
3得点 5 5
4得点 0 4
5得点以上 1 4

 左がソフトバンクで右が広島。複数得点を挙げられるイニングが少ない。

 金子千尋に92球で完封を許した4月14日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)が顕著だった。打者29人で3球目までに勝負が決まった打席が19。1打席で7球以上投げさせることは誰もできなかった。初回に4点を先行されたことでソフトバンクとしては打つだけの攻撃に終始せざるを得なくなり、金子としてはストライク先行の投球が可能になった。その両面の理由があるが、あまりに淡白だった。

 ソフトバンクの打線の中心には自身「超積極的。打てると思ったボールは打ちにいく。四球が少ないと言われるけど、それを求めたら僕のいいところがなくなる」という内川がいる。中軸を担う松田にしても柳田にしても、仕掛けが早いタイプで、これが功を奏している面はある。しかし、かつて日本ハム中島卓也以上に打席での粘りを見せていた中村晃やつなぎの役割を求められる今宮、本多雄一まで同様の打ち取られ方をしていたのでは、同じ相手に何度もやられてしまうことになる。

 4月28日からも組まれているオリックス3連戦。金子との再戦が実現したとき、ソフトバンク打線の真価が問われる。

(クレジット)
文=菊池仁志 写真=湯浅芳昭
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