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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

中日・荒木雅博の見えざるファインプレー

 

 スコアは3対3。延長12回表一死一、三塁の守備。1点を奪われれば敗戦濃厚となる土壇場で、果たして選手はどれだけ冷静でいられるだろうか。そんな場面が4月5日の中日広島戦(ナゴヤドーム)であった。

 守っていたのは中日。広島の打者・會澤翼の打球はボテボテの遊ゴロに。ほとんど正面に飛んできた打球を遊撃手のルーキー・京田陽太が二塁へ送り、さらに二塁の荒木雅博が一塁へ転送してゲッツー。中日は裏の攻撃で得点できずに勝利は逃したものの、手痛い敗戦を免れることができた。

 この場面、中日ベンチは中間守備を指示していた。結果だけを見れば狙いどおりのゲッツー。しかしその裏に、ある男の見えないファインプレーがあった。二塁手の荒木だ。

「最初は普通のゲッツー体制で守っていたんですけど、荒木さんに『もうちょっと前に行こう』と言われました。打者はそれほど足が速くないですし、荒木さんはピボットがうまいので、それも全部頭に入れたうえでゲッツーを取れました」

 そう振り返ったのは京田。もし、中間守備のままで捕球が遅れていたらゲッツー崩れの間に勝ち越しされていた可能性もある。球界屈指の二塁手として君臨し、中日黄金時代を築いた名手の経験と状況判断力。百戦錬磨のベテランの技が光った瞬間だった。

 さて、京田の視点は上記のとおりだ。一方、指示を出した荒木の目には何が映っていたのか。

 その解答は現在発売中の週刊ベースボール5月1日号の誌面でご確認いただきたい。奥深き二塁手の世界を、きっと垣間見ることができるはずだ。

絶体絶命のピンチで、ベテラン二塁手・荒木の判断力が光った



文=吉見淳司 写真=榎本郁也
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