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プロ野球デキゴトロジー/5月16日

巨人・菅野智之が届かなかった男、城之内邦雄がノーヒットノーラン【1968年5月15日】

 

左から2人目が城之内。右奥には王貞治の姿も


 プロ野球の歴史の中で、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は5月16日だ。

 巨人菅野智之が3試合連続完封勝利を飾り、達成はならなかったが、4試合連続完封を前にしたとき、同じ巨人の達成者としてスポーツ新聞に取材を受けていたのが、元巨人の城之内邦雄だった。“エースのジョー”(俳優宍戸錠の愛称から)と呼ばれ、1960年代前半に活躍した快速球右腕。えげつないシュートとトルネード投法からの重い速球を武器にした男だ。

 1968年5月16日は、城之内がノーヒットノーランを達成した日だが、投手コーチだった藤田元司は「かなり大変だったと思うよ」と試合後にコメントしている。それは点差だ。

 相手は大洋(後楽園)だったが、巨人打線は3回裏に5点、4回裏に2点、5回裏に3点、6回裏に1点、7回裏に5点で16得点。この年、初の首位打者と7度目のホームラン王となる王貞治が2本塁打、6打点と大暴れした。

「16点ももらえばふつう気が抜けるものだが、最後まで緊張を維持したね」と藤田コーチ。もっとも藤田コーチは3回裏に5点を取った後、「1点でも取られたら交代」と告げ、城之内は「そのときからノーヒットを意識した」というから2人の“合作”のような記録だった。ノーヒットノーラン史上では52年、同じく巨人の大友工が松竹戦で、17対0で達成したのが最多得点差となっている。

 なお、20勝以上を3度マークした城之内であるが、すでに峠は過ぎており、この年は最後の2ケタ勝利を挙げたシーズンでもあった(11勝)。

写真=BBM
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